t>

「何度もやめる機会があったのに、その全てが素通りされてきた」―。沖縄県名護市辺野古沖で船が転覆し、研修旅行中の同志社国際高(京都府)2年の武石知華(ともか)さん(17)ら2人が死亡した事故を受け、同校を運営する学校法人同志社が設置した特別調査委員会(第三者委員会)は7月31日、報告書を公表し、安全意識の欠如を痛烈に指弾した。知華さんの遺族は「あまりにずさんな現場で信じられない思い。ことごとく安全管理の意識が抜け落ちている」とやりきれない気持ちを吐露する。
報告書が示した「事実」は衝撃的なものだった。それによると、知華さんが参加した辺野古乗船プログラムは令和5年3月から導入された。だが、学校側は船や航路の安全性について何ら確認することなく、水難事故を想定した危機管理マニュアルも作成していなかった。
さらに実際に乗船した生徒の感想文で危険が推察されるような内容が記載されていたにもかかわらず、安全性を検証することなく、前例踏襲を繰り返してきた。
第三者委員会は、事故が起きるまで改善の機会が複数あったと指摘。安全だという思い込みと盲目的な信頼が背景にあったと結論づけ、学校側の著しい安全管理の欠如を厳しく批判した。
安全確認を怠ったまま継続されたプログラムは、やがて重大な事故を招いた。学校法人同志社には、亡くなった生徒とその家族に対する民事責任が免れないとの見方が強まっている。