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外食大手のサンマルクホールディングス(HD)が今月、創業地の岡山市から京都市に本社を移した。インバウンド需要の高い京都を拠点に海外展開を加速する狙いで、藤川祐樹社長(37)は「京都ブランドを活用しグローバル化を進める」と語った。
新本社は京都有数のビジネス街、四条烏丸交差点北東の「京都三井ビルディング」(京都市下京区)4階。約1200平方メートルのフロアに約200人の社員が勤務する。
エントランスには社名の由来であるベネチア・サンマルコ広場をモチーフにした絵皿や、西陣織のソファ、漆工房仕上げのカウンターなど京都の職人による工芸品が並ぶ。
同HDは「サンマルクカフェ」「鎌倉パスタ」「牛カツ京都勝牛」など約900店舗を展開するが、海外は約30店舗にとどまる。海外展開強化のため京都への移転を決断した。令和4年に京都の「喫茶マドラグ」を傘下に加え、喫茶文化継承に力を入れてきたことも背景にある。
藤川社長は「企業のグローバル化を進めるために商品力の向上を図りたい」と述べ、近くに実験店舗を開設する方針を示した。
さらに、大学生の地元就職率が低い京都府内での人材採用にも注力。藤川社長は「『京都で働きたい』という声は多い。100年を超える企業を目指したい」と強調した。
同HDは3年後までに東南アジアなどで海外400店舗展開を目標とする。岡山市から京都市に住民票を移した藤川社長は「京都は食のクオリティーが高く、世界一の美食都市と認識している。舌の肥えた京都のみなさんのお力を借りて、京都の食の価値を高めていく」と語った。
サンマルクHDは商品開発力を高めるため、実験店舗「サンマルク料理研究所」(京都市下京区)を開設した。社内で開発したレストランやテークアウト向けの新商品を試行的に提供し、利用客の声を反映して改良。評価が高まれば傘下店舗で提供する。
同店は四条通沿いのビル地下1階にあり、約165平方メートルの店内に最大31席。カフェ向けパンやハンバーガーに加え、京都食材を使った和食や洋食など多様なメニューを提供する。
同社は毎週のように新商品を開発してきたが、出来栄えの検証は社内にとどまっていた。藤川社長は「世界一の美食都市・京都に住む人は舌も肥えている。開発担当者も利用客の声を直接聞くことで新商品の完成度が高まる」と期待を寄せる。
まず7月15、16両日に限定メニューのテークアウト販売を実施。10月からはレストラン営業を始める。いずれも週2日程度の不定期営業の予定。藤川社長は「事前に利用客の声を聞いて開発を重ねているので、販売時のリスクも軽減できると思う」と話した。(格清政典)