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仕事中に涼しく過ごしたい、けれど取引先に失礼な格好はしたくない―。働く男性の間で「夏の仕事服」に悩む声が広がっている。職場のTPOで判断が分かれるのが「ポロシャツ」の着用だ。クールビズの定着や働き方の多様化を背景に、「快適さ」と「きちんと感」を両立する装いとして進化している。
「Tシャツではラフすぎる。でもジャケットを羽織るのは暑い」。東京都内に勤務する会社員、山田彪雅(ひゅうが)さん(24)は夏の仕事服選びに頭を悩ませる。冬ならワイシャツにジャケットを合わせれば困らないが、夏は事情が違う。高温の日は熱中症の心配もある。服選びは体調管理にも直結している。
こうした中、職場に着ていけるポロシャツの品ぞろえが充実してきた。
紳士服大手の青山商事では、令和7年度のポロシャツの販売枚数が2年度の3.5倍に拡大。今年は例年より1カ月早い4月から販売を始めた。
襟が立つ「台襟」で、細身のシルエット。袖ぐりを細めにし、ジャケットを羽織っても、もたつかない。着丈も工夫し、裾を出したままでもだらしなく見えないように短めの丈にした。台襟仕様のものは、約6年前から定番化。「紺や黒などの濃いめの色が人気」と商品第一部グループ長の村上智彦さんは話す。
百貨店でもポロシャツは人気だ。伊勢丹新宿店メンズ館(東京)では、編み目が細かく光沢感のあるハイゲージ素材の商品が支持を集める。
その代表格が英国のニットブランド「ジョンスメドレー」の半袖コットンニットポロ。身ごろはゆったりとしているが、ワイシャツのように品のよい襟の形が特徴。同店メンズ館のバイヤー、稲葉智大さんは「仕事でも休日でも使える『オンオフ兼用』のものを求める人が増えている」と話す。
仕事中も快適に過ごせるようにと、機能面も進化している。ユニクロでは接触冷感や速乾機能を備えたポロシャツが売れ筋だ。汗やムレを抑える機能性と、上品なデザインを両立。編み目が細かく、襟元にボタンを配した台襟仕様のものは、ノーネクタイでも襟元がきれいに整い、ジャケットと重ねて着てもなじむ。
リカバリーウエアで知られるTENTIAL(テンシャル)は、疲労回復をうたう機能性素材を使用した「スムースリカバリー半袖ポロシャツ」を販売。夏場のビジネス用途での需要も広がっているという。
「きちんと感」のあるデザインが出そろい、仕事着として認知を広げるポロシャツだが、場に応じた着こなしも大事だ。オンワード樫山が7年、20~50代の女性220人を対象に行った調査では、「職場の男性の服装が気になることがある」と約3割が回答。清潔感があり、きちんとした装いが好感度につながるとの傾向もみられた。
では、職場でどのように着こなせばいいのか。男性のファッションに詳しい「服のコンサルタント協会」代表理事でスタイリストの森井良行さんは、夏の仕事服は「クールビズ」と「オフィスカジュアル」を混同しないことが重要だと説明する。
クールビズはスーツから上着やネクタイを省く「引き算」の発想。一方でオフィスカジュアルは、軽装にジャケットなどを加えて整える「足し算」の考え方。ポロシャツはその中間に位置するアイテムだという。
森井さんは「クールビズなら、ワイシャツに近い台襟付きのポロシャツを。オフィスカジュアルなら、裾を出しても上品に見えるニットポロが合う」と話す。
いずれも他のアイテムとの組み合わせを誤ると、だらしない印象に。例えば、チノパンやスニーカーに合わせると休日着やゴルフ帰りのように見えてしまうこともある。森井さんは「クールビズとオフィスカジュアル、どちらの発想でポロシャツを選ぶかを整理し、スラックスや革靴に合わせるなど、全身のバランスを意識することが重要」とアドバイスした。(村田幸子)