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福島県にある「リカちゃんキャッスル」を訪れると、子どもの頃に夢中になった人形を手に取り、静かに没頭する大人たちの姿が日常的に見られる。玩具メーカーのタカラトミーによると、大人向けに販売するリカちゃん人形の売り上げはここ数年で約6倍に急拡大し、全売り上げの約2割を大人層が占めるまでになった。
その背景にはSNSでの拡散とコラボ商品の効果がある。インスタグラムやX(旧Twitter)で、リカちゃんをドレスアップさせて撮影した写真や、大人ならではのこだわりコーディネートが次々に投稿され、同世代の共感を呼んでいる。また、有名ブランドやアニメとのコラボレーション商品が発売されるたびに即完売する現象も続いている。
タカラトミー広報担当者は「リカちゃんは本来子ども向けだが、今や購入者の年齢層が大きく広がっている。特に30〜40代の女性が自分の趣味として購入するケースが増えた」と説明する。玩具店でも大人がリカちゃんを1人で選ぶ姿は珍しくなく、店頭では「子どもではなく自分のために買う」という声が聞かれる。
なぜ今、リカちゃんが再び注目されているのか。専門家は「昭和〜平成初期にリカちゃんと一緒に育った世代が、子育てや仕事に一段落ついたタイミングで、自分のための趣味として再び手に取っている」と分析。さらに「当時は買ってもらえなかった高級ドレスや限定品を、経済的に余裕ができた今、自分へのご褒美として買う傾向がある」という。
リカちゃんキャッスルではこうした大人客をターゲットにしたイベントやワークショップも充実させており、年間来場者数は増加の一途をたどる。同施設の担当者は「大人だけの滞在時間を静かに楽しむ方が増えている。今後も大人のファンが満足できる企画を打ち出していきたい」と意気込みを語る。