
北海道町村会は16日、札幌市内で開いた定期総会において、冬季五輪・パラリンピックの招致を北海道や札幌市に要望したことを明らかにした。すでに道内14地区すべての町村会から賛同を得ており、地域一体となって招致を目指す姿勢を強調している。会長を務める棚野孝夫・白糠町長は、次世代への期待を込めて「子どもたちに夢を与える五輪を開催することが私たちの願い」と述べた。
かつて札幌市や経済界は2030年と34年の招致活動を推進していたが、東京大会を巡る汚職事件の影響で支持が低迷し、2023年に活動を停止した経緯がある。今回の要望は、こうした停滞した状況を打破し、再び開催に向けた機運を高めることを目的としている。町村会側は、将来的な開催に向けて今から準備を進める必要性を訴えている。
町村会は今月9日に道庁を訪れ、副知事らに対して要望書を手渡した。その際、道側からは現在の社会情勢を踏まえた慎重な回答が示されたという。棚野会長によれば、道からは「現時点では具体的な行動に出るタイミングではない」と説明があったほか、札幌市の意向が重要であるとの認識を伝えられた。
定期総会後の取材で棚野会長は、15日に札幌市の秋元克広市長と面会し、招致への意欲を直接確認したことを明かした。面会の手応えについて「札幌市も我々と同じ思いであることが確認できた。招致を断念していないことがわかり、何より安堵(あんど)した」と語り、安堵の表情を浮かべた。また、広域開催の可能性についても触れ、「来たるべき時が訪れた際には、しっかり応援していきたい」と期待を寄せた。
一方、総会であいさつした鈴木直道知事は、具体的な招致の是非については踏み込まなかった。知事は「町村会のみなさまの思いを踏まえながら、冬季スポーツの振興に努めていきたい」と述べるにとどまり、慎重に言葉を選んでいる様子がうかがえた。再招致に向けては、市民や道民の信頼回復が依然として大きな課題となっている。