
関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)を巡り、周辺住民らが国に原子炉の設置変更許可の取り消しを求めた訴訟で、住民側弁護団は3日、許可を違法とした令和2年の1審大阪地裁判決を取り消した大阪高裁判決について上告を断念したと明らかにした。
弁護団は高裁判決が誤りだと批判した上で、上告しない理由について「最高裁では審理の範囲が限られ、逆に高裁判決を認知される危険性がある」とする声明を公表し、大飯3、4号機の運転を認める判決が今後確定する見通しとなった。
主な争点は、原発の耐震設計で目安とするため関電が策定した「基準地震動」の適正性で、地裁判決は数式で算出した地震規模に上乗せ検討をすべきだったのに関電が怠り、原子力規制委員会も追認したとして許可は違法と判断した。
しかし5月28日の高裁判決は、関電は想定される震源の断層面積など変数自体を地震動が大きくなるよう設定しているとし、新規制基準に適合するとした規制委の審議過程に「看過しがたい過誤、欠落は認められない」と結論付けた。
本訴訟では地裁の判断が「異質」と指摘される一方、専門家からは高裁判決が「きわめて妥当」との評価が出ており、住民側の上告断念により原発運転を認める司法判断が確定する。