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「洗濯物を干すために2階に上るの面倒だ…」――そう語るのは、東京都内で夫と幼い二人の子どもと暮らす大塚奈緒さん(39)。彼女は約2年前、思い切って平屋の一戸建てを建てた。理由はシンプルで、子育て中の家事負担を減らすためだ。平屋は面積の割に建築費がかさむとされるが、大塚さんは「長期的に見れば、毎日の動線が短くなる方が価値がある」と強調する。
設計の最大の特徴は、洗濯から収納までを一つの動線で完結させた点だ。洗面所の隣に室内干しスペースを設け、乾いた服はそのままウォークインクローゼットへ。大塚さんは「2階に上がる必要がなくなり、洗濯物を畳む時間も半分以下になりました」と効果を語る。間取りは掃除機をかけやすいように障害物を極力排除し、床材も掃除がしやすい素材を選んだ。
掃除の手間を減らすための工夫は随所に光る。キッチンは壁付けのI型を採用し、コンロ周りの油はねが最小限になるよう設計。リビングとダイニングは段差をなくし、ロボット掃除機が家中をスムーズに動き回れる。大塚さんは「正直、掃除は以前の半分以下の時間で終わります。その分、子どもと過ごす時間が増えました」と満足そうだ。
子育て世代にとって平屋のメリットは安全面でも大きい。階段がないため幼児の転落リスクがなく、家中どこにいても子どもの気配を感じられる。大塚さんは「2階建ての時は、上の階で子どもが何をしているか不安でしたが、今はリビングからすべて見渡せるので安心です」と語る。また、将来的なバリアフリーにも対応できる点も決め手の一つだった。
建築費は同じ延べ床面積の2階建てより約1割高くなったが、光熱費やメンテナンスコストを考慮すると総額では遜色ないという。大塚さんは「家事の効率化と家族の時間を考えれば、平屋を選んで正解でした。これから家を建てる人には、まず生活動線を見直すことを勧めたい」と話す。平屋という選択肢が、忙しい現代の子育て家庭にとって一つの理想像を示している。