
米国のルビオ国務長官は23日、今夏に米国、カナダ、メキシコの3カ国で共同開催されるサッカーのワールドカップ(W杯)北中米大会について、イラン代表チームの米国内への入国を認める考えを明らかにしました。ロイター通信が報じた内容によると、ルビオ氏は外交的な緊張が続く中でも、スポーツの祭典としての側面を重視する姿勢を示しています。北中米大会を控える中、参加国の入国問題は国際的な関心事となっていました。
入国の条件について、ルビオ国務長官は報道陣に対し、「問題はイランの選手ではなく、選手と同行しようとする一部の人物、つまりイスラム革命防衛隊(IRGC)と関係のある者たちだ。こうした人々の入国は認められない。だが、選手は別だ」と語り、厳格な審査を行う方針を強調しました。革命防衛隊に関係する人物の入国は断固として拒否する一方で、アスリート個人の参加は妨げないという実務的な判断を下した形です。この発言により、イラン代表の大会参加に向けた大きな懸念が一つ解消されることとなりました。
一方で、イランの出場権をめぐっては、米国大統領特使のパオロ・ザンポッリ氏が、イランの代わりにイタリアを出場させるよう国際サッカー連盟(FIFA)に要請したと報じられ、波紋を広げています。ザンポッリ氏はAP通信の取材に対し、「私の要請は政治的なものではない。イランが参加できなかった時の不測の事態のための計画だ」と述べ、自身の要請が純粋に運営上のリスク管理に基づくものであることを強調しました。しかし、この提案は各方面から予期せぬ反発を招く結果となっています。
欧州プレーオフで敗退し、3大会連続でW杯出場を逃しているイタリア側は、この代替出場案に対して極めて冷ややかな反応を見せています。イタリア五輪委員会のルチアーノ・ブオンフィリオ氏らスポーツ界の要人は、「第一に、それは不可能。第二に、いい案でもない」「恥ずべきものだ」などと述べ、繰り上げ当選のような形での出場を明確に否定しました。イタリアのスポーツ界では、実力で勝ち取っていない出場枠を受け入れることへの強い拒否感が示されています。
こうした一連の騒動に対し、FIFAは朝日新聞の取材に応じて「何も新しいことはない」と回答し、現時点での計画変更を否定しました。イラン代表は当初の予定通りW杯に参加し、米国内で開催される1次リーグG組での試合に臨む見通しとなっています。地政学的な対立がスポーツの現場に影を落とす中、大会の円滑な運営に向けた調整が今後も続けられることになります。