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半導体メモリー大手のキオクシアホールディングスが、時価総額でトヨタ自動車を抜き50兆円の大台に乗せたことが28日、明らかになった。同社の株価は年初から約80%上昇し、市場の評価が一変。AI(人工知能)向けメモリー需要を追い風に、業績拡大への期待が株価を押し上げている。
株価上昇の背景には、NAND型フラッシュメモリー市場における圧倒的な“売り手市場”への構造変化がある。データセンター向け需要が急増する一方で、供給側の設備投資が追いつかず、需給が逼迫。キオクシアは世界トップクラスの生産能力と技術力を背景に、価格交渉力で優位に立っている。
業績のカギを握るのが「LTA(長期供給契約)」だ。キオクシアは主要顧客である大手IT企業とLTAを締結し、安定した収益源を確保。同社は「LTAにより2025年度の売上高の約70%がカバーされる」と説明しており、市況変動のリスクを低減させている。
AI向けのストレージ需要が拡大する中、キオクシアは高帯域・低消費電力の製品開発を加速。特に生成AIの学習データ保存に適した大容量SSD(ソリッドステートドライブ)で競合をリードしており、2026年までにデータセンター向け売上高を倍増させる計画を公表している。
一方、競合のサムスン電子やSKハイニックスも積極投資を進めており、市場シェア争いは激化。キオクシアは「AI時代の勝ち組になるために、LTAの拡大と技術革新を両輪で進める」(同社幹部)とし、さらなる成長に向けた構造改革を急ぐ方針だ。