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7月4日、香港船籍の超大型原油タンカー(VLCC)「ロングウインド号」がペルシャ湾内で錨を上げ、ホルムズ海峡を抜けて韓国のオンサン港へと向かった。この船は湾内に足止めされていた最後の中国系VLCCであり、これによりペルシャ湾内を航行・停泊する中国系VLCCは完全にゼロとなった。
ところが、ホルムズ海峡の出口に当たるオマーン湾では、まったく異なる光景が広がっている。中国のエネルギー海運大手である中遠海運能源運輸(コスコ・シッピング・エナジー・トランスポーテーション)や招商局能源運輸(チャイナ・マーチャンツ・エナジー・シッピング)などが運航する多数のVLCCが、一斉にこの海域に集結しているのだ。
この背景には、国際的な制裁をかいくぐる「影のタンカー船団」の急拡大がある。アラブ首長国連邦(UAE)を拠点とする秘密作戦が浮上しており、イラン産原油を密かに積み出し、ホルムズ海峡を通過させるための複雑なネットワークが構築されつつあるとみられている。
さらに、この船団の運航には韓国の海運会社が深く関与しているとの情報が関係者の間で広がっている。会社名は明らかにされていないが、中国大手船主のタンカーをチャーターし、積荷の出所を偽装する役割を担っている可能性が指摘されている。
こうした動きは、ホルムズ海峡の地政学的リスクを一段と高めている。米国や同盟国の監視の目をかいくぐる巧妙な手口は、原油市場に新たな不透明感をもたらし、国際社会の注目を集めている。