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物価高騰が続く中、高市首相が決断した食料品の消費税減税をめぐり、自民党内から懸念が噴出している。財源の裏付けが不透明なまま強引に制度設計を進めているとの批判があり、「ゴリ押し減税」の言葉とともに「退陣待望論」までささやかれ始めた。その背景には、2年後に控える参院選を見据えた政局思惑も絡んでいる。
首相は物価高で打撃を受ける家計を支援するため、食料品を消費税の対象から外す「食料品消費税減税」を最優先課題に掲げる。軽減税率や給付金に代わる目玉政策としてアピールしたい考えだが、減税による税収減は年間数兆円規模に上るとされ、安定財源の裏付けがないまま「見切り発車」したとの指摘が出ている。財務省からは手放しの賛成を得られず、制度設計を巡る調整が難航している。
自民党内では「財源なき減税は将来の国民負担を先送りするものだ」「スーパーや小売店の事務負担が増え、現場が混乱する」と不安視する声が相次ぐ。さらに、前回の消費増税時に導入された軽減税率との整合性をどう取るのかという技術的な問題も残る。このため「首相が支持率浮揚のために強引に推し進めている」との反感が党内の一部に広がっており、ベテラン議員の間からは「このままでは選挙を戦えない」と表立って批判する動きも出始めている。
この減税問題がここまで政治的な火種になっている背景には、2028年参院選への思惑がある。首相としては、物価高対策で実績をアピールし、選挙前に支持基盤を固めたいところだ。しかし、財源をあいまいにしたまま減税を実施すれば、後年度の財政負担として必ず跳ね返ってくる。参院選の結果次第では首相の責任論が強まり、「退陣待望論」が一気に勢いを増す可能性も否定できない。まさに「時限爆弾」を抱えた状態だ。
今後の焦点は、秋の臨時国会に向けた法案の中身と、党内調整の行方だ。財務省や公明党との協議次第で、減税の対象範囲や実施時期、財源措置の枠組みが大きく変わる見通しである。高市首相にとっては、この難局を乗り越えてこそ政権の安定が取り戻せる。しかし、無理に押し切れば反発はさらに強まり、退陣論が現実のものとなりかねない。是が非でも「着地」を成功させられるかが、今後の政権運営の試金石となる。