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高市早苗首相が、ついに食料品を対象にした消費減税の決断を下した。これまで日本の政治家たちは「構造改革や財政再建」を念仏のように唱えてきたが、そのほぼ全てが財務省のシナリオの域を出なかった。要するに官製の改革にすぎず、経済政策の本質は「お役所仕事」だったと言わざるを得ない。政治家の顔をした役人天国である「国会ムラ」の中で、消費税減税はそのムラを打ち破る画期的な国民目線の政策であり、高市首相の決断をたたえたい。
だが、この政治家・役人ムラにはオールドメディアという別動隊もいる。早速、主要な新聞は高市首相の消費減税を批判する記事を並べた。例外となる大手新聞はなかったようだ。もちろん、どのオールドメディアにも緊縮財政に疑問を抱く記者はいる。
それでも、ここまで口をそろえたかのような消費減税批判は異様である。ご存じの通り、新聞には軽減税率が適用されており、生活必需品である食料と同じ扱いだ。高橋洋一・嘉悦大学教授はX(旧・ツイッター)で、「やはり新聞にも減税というわけか」と、新聞の減税反対の横並びについて投稿していた。これは経済合理的な観点からの新聞批判として興味深い。
もし「自社の利益を求めて反対しているわけではない」と言うのなら、オールドメディアは率先して軽減税率の放棄を「財政懸念」の払拭のために自ら行うべきではないか。それこそ首尾一貫した態度だとして、物好きに称賛する人も出てくるかもしれない。
さて、政府の計画では「飲食料品の消費税率」を1%へ引き下げ、2027年4月から2年間先行実施した後、2029年4月から中低所得者への所得に応じた給付制度を導入する。それに伴い、食料品の消費税減税は終了する。この給付制度は「給付付き税額控除制度」を単なる給付制度に変更したもので、財務省的な発想が色濃くにじんでいる。
給付の形で負担を軽減できたとしても、他方で税制には手を付けないため、増税や他の社会保険料の負担増など、財務省が工夫する余地は残る。税制をいじられるのが一番嫌なのだろう。財務省は税制を自分たちの「テリトリー」だと思っている。「国民あっての税制」であるべきなのに、日本では「財務省あっての税制」になっている。