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政府は16日、米イラン両政府が戦闘終結の覚書に署名し、停戦の道筋が見え始めたことを受け、ホルムズ海峡の航行の自由確保に向けた自衛隊派遣の本格検討に入った。木原稔官房長官は同日の記者会見で、自衛隊派遣について「国際法、国内法の範囲内で必要な対応を検討する」と述べた。しかし戦闘再開の懸念は完全には払拭されておらず、政府は現地情勢や支援ニーズを見極めて結論を出す方針だ。
戦闘終結合意を受けて英国、フランス、ドイツ、イタリアの4カ国が発出した共同声明には機雷掃海任務への言及があり、日本もこの声明に参加した。政府は資金援助にとどまらない人的貢献を目指し、水面下で派遣する艦艇の選定など具体的な検討に着手した。
政権幹部は「頭の体操はやっている。派遣する隊員の意思確認もしなければいけない」と語る。海上自衛隊は16隻の掃海艦艇と長期活動を支える掃海母艦2隻を保有し、世界有数の掃海技術を有する。政府は覚書の署名式が行われる19日までに一定の方向性を出したい考えだ。
高市早苗首相は3月の日米首脳会談直前にも機雷除去のための掃海部隊派遣などを検討したが、完全な停戦までは派遣できないとの結論に達した。戦闘中の機雷撤去は、政府が憲法9条で禁じられていると解釈する「自衛のための必要最小限度を超える武力行使」に当たる可能性があると判断したためだ。
英仏独やオランダは既に艦艇派遣の用意があると表明している。掃海部隊が日本からホルムズ海峡に到着するには約1カ月かかるとみられ、判断が遅れれば時機を逸しかねない。日本には1991年の湾岸戦争で「金は出すが人は出さない」と国際社会から非難された苦い経験がある。
一方、派遣すれば戦闘再開や機雷掃海中の事故などで自衛隊員が危険にさらされるリスクがあり、政府内には慎重論も根強い。国際貢献と隊員の安全確保という難題を前に、首相は難しい判断を迫られる。