
東南アジア諸国連合(ASEAN)の議長国を務めるフィリピンは24日、ミャンマーの民主派指導者アウンサンスーチー氏の釈放を求める声明を発表した。2021年のクーデター発生から3年以上が経過する中、ASEAN側は事態の進展に向けて軍政への圧力を強めている。今回の要請は、ミャンマー国内の混乱を収束させるための重要な一歩として位置付けられている。国際社会は依然として厳しい視線を送っており、ミャンマー軍政の出方が今後の焦点となっている。
声明の中では、クーデター前に大統領を務めていたウィンミン氏らに対して「恩赦」が与えられたことについては歓迎の意が示された。しかし、ASEAN側はこれだけで十分とは考えておらず、依然として拘束されている政治犯らの全面的な解放を促している。特にスーチー氏の処遇は、民主化プロセスの再開に向けた象徴的な意味を持っていると言えるだろう。ASEAN各国は、ミャンマーが提示した限定的な譲歩に対し、さらなる踏み込んだ対応を求めている形だ。
こうした中、タイのシーハサック外相は22日、ミャンマーの首都ネピドーを訪問し、親軍政権の大統領に選出されたミンアウンフライン前国軍最高司令官と会談を行った。隣国であるタイは、ミャンマー情勢の安定が自国の安全保障に直結するため、積極的な仲介を続けている。会談では、拘束下にある指導者たちの現状や今後の扱いについて、突っ込んだ議論が交わされた模様だ。軍政側も、国際的な孤立から脱却するためにタイを通じた対話の窓口を維持したい考えがある。
会談の席でミンアウンフライン氏は、スーチー氏の現状について「適切に扱われている」と説明したという。その上で、同氏は「今後さらに良い処遇を検討している」とも述べ、一定の配慮を見せる姿勢を示した。これらの発言は、軍政がスーチー氏の処遇を外交上のカードとして活用しようとしていることを示唆している。これまで頑なな姿勢を崩さなかった軍トップが、具体的な処遇改善に言及したことの真意が問われている。
ミンアウンフライン氏は現在、ASEANとの冷え切った関係を修復することに強い意欲を示しているとされる。スーチー氏の処遇をてこにして、国際社会からの批判をかわし、現局面の打開を探るとの見方が有力だ。しかし、ASEAN側が求める「暴力の即時停止」や「全当事者間の対話」という要求には程遠いのが現状である。今後、軍政が実効性のある行動をどこまで示せるかが、ミャンマー情勢の行方を左右することになるだろう。