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EAST RUTHERFORD, NEW JERSEY – JULY 19: FIFA President Gianni Infantino arrives at the stadium before the FIFA World Cup 2026 Final match between Spain and Argentina at New York New Jersey Stadium on July 19, 2026 in East Rutherford, New Jersey. (Photo by Hannah Peters – FIFA/FIFA via Getty Images)アジアサッカー連盟(AFC)は29日、国際サッカー連盟(FIFA)が検討を進める新たな事業会社「FIFA Forward Enterprise(FFE)」の設立構想について声明を発表した。声明では加盟協会との十分な協議や透明性の確保が不可欠だとの見解が示され、グローバルなサッカー統治の在り方に新たな議論を投げかけている。
FIFAは28日、商業事業を担う新会社「FFE」を設立する構想を公表。FFEはFIFAワールドカップやFIFA女子ワールドカップ、FIFAクラブワールドカップなど主要大会の運営や商業事業を一元的に管理する組織となる見込みだ。放映権やスポンサーシップ、チケット販売、ライセンス事業などを統括し、FIFAが経営権を維持したまま少数株式を長期投資家へ売却する計画となっている。
企業価値は200億ドル(約3兆円)を想定し、最大42億ドル(約6300億円)の資金調達を目指す。この資金を活用し、加盟211協会への育成資金を大幅に拡充するとともに、「FIFA Forward」プログラムを通じた世界各国への投資を100億ドル(約1兆5000億円)規模まで拡大する方針だ。一方で競技運営やルール制定、国際試合日程の策定といったサッカーの統治機能については、引き続きFIFAが担うとしている。
この構想に対し欧州サッカー連盟(UEFA)や北中米カリブ海サッカー連盟(Concacaf)は、加盟協会への事前説明や協議が不十分だったことを問題視。世界最高峰の大会を含むFIFAの商業権の一部を民間投資家へ開放する前例のない仕組みであることから、サッカー統治の在り方や透明性を巡る議論が広がっている。
特にUEFAは、ワールドカップをはじめとする主要大会は世界サッカー全体の公共財であり、その商業権を投資対象とすることには慎重であるべきとの姿勢を明確にしている。イングランドサッカー協会(FA)からも懸念の声が相次いでおり、FIFAの独立性や意思決定への影響を危惧する見方が強まっている。
こうした国際的な反応を受け、AFCは声明を発表。「世界のサッカーの未来を強化する革新的なアプローチを模索することの重要性を認識しています」としつつも、「これほど大規模かつ重大な取り組みは、適切なガバナンス、透明性、そして有意義な協議という原則に基づいて行われなければなりません」と指摘した。
AFCはさらに「サッカーの商業的・財政的な未来を大きく左右する可能性のある決定は、適切な意思決定機関に提案を行う前に、各連盟、加盟協会、その他の関係者との包括的な事前協議を必要とします」と強調。加盟協会が提案内容を適切に検討・議論できる環境が確保されるべきとの立場を示した。
またAFCは、FIFAが約束する十分な情報開示を受けた上で、内容を精査する姿勢を明らかにしている。声明を通じて、アジア地域の加盟協会が主体的に議論に参加できるよう透明性の高いプロセスを求める意向を強く打ち出した。
FFE設立案は、加盟協会による承認とFIFA評議会(FIFA Council)の正式承認を経て実現する見通し。だが、UEFAやConcacaf、FAからは懸念が相次いでおり、加盟協会への十分な説明や協議がないまま構想が公表された点に加え、外部投資家への株式売却がFIFAの独立性や意思決定に影響を及ぼす可能性があるとの指摘が根強い。
一方で、FIFAが掲げる加盟協会への支援拡充という目的そのものには一定の理解を示す声もあり、特に育成資金の恩恵を受ける加盟協会を中心に構想を前向きに評価する意見が広がる可能性もある。世界サッカー界への投資拡大というメリットと、FIFAの独立性やガバナンスの維持をどう両立させるかが今後の焦点となる。
ワールドカップの商業権を民間に開放するという前例のない試みは、サッカー統治の未来を大きく左右する火種となりそうだ。AFCの声明は、一層の協議と透明性を求める国際的な圧力を強めるものとして、今後のFIFAの対応が注目される。