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アラブ首長国連邦(UAE)が石油輸出国機構(OPEC)からの脱退を正式に表明した。背景には、石油生産量をめぐるサウジアラビアとの長年にわたる対立があるとみられる。UAEは市場シェア拡大を狙い増産を求めてきたが、OPECの盟主であるサウジは価格安定を重視し増産に慎重な姿勢を崩さなかった。
UAEとサウジの溝は、ここ数年で特に顕著になった。UAEは自国の設備余力を活用して生産量を増やしたい考えだが、サウジは「長期にわたり石油を売り続ける」戦略から、供給過剰による価格下落を避けたい立場だ。この方針の違いが脱退の直接的な引き金となった。
中東地域研究の専門家である早稲田大学研究院教授の保坂修司氏(湾岸近現代史)は「UAEの脱退はOPEC内部の結束に深刻な亀裂をもたらす。今後、他の加盟国が同調する可能性も否定できない」と指摘する。同氏は「サウジの影響力低下は避けられず、産油国の間で新たな枠組みが模索されるだろう」と予測する。
今回の脱退でOPECの市場への影響力が弱まる可能性がある。UAEは世界有数の産油国であり、その離脱は供給調整の実効性に疑問を投げかける。石油市場では価格変動が激しくなるとの見方が広がっており、今後の原油相場は不安定な展開が予想される。
日本にとって中東原油への依存度は約9割に達する。今回の脱退が調達先の多様化や価格交渉にどのような影響を及ぼすか注視する必要がある。専門家は「中東全体の安定が日本にとって死活問題であり、OPECの枠組み崩壊が供給リスクを高める可能性もある」と警鐘を鳴らす。