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命と平和の尊さを伝えようと、奈良県上牧町は8月7、8の両日、町文化センターペガサスホールで朗読劇「ひめゆりたちの戦場~最果てからの叫び~」(沖縄県、奈良県遺族会、産経新聞社など後援)を上演する。出演者とスタッフは全員が町職員で、今回で5回目。先の大戦で国内唯一の地上戦となった沖縄戦を題材に、戦争の記憶を語り継ぐ。
町は町制50周年を機に、令和4年から毎年この時期に戦争をテーマにした朗読劇を開催。これまで学童疎開船の対馬丸、鹿児島・知覧の特攻隊、大阪大空襲、長崎原爆の被爆医師を取り上げてきた。
今年のテーマは、昭和20年3~6月の沖縄戦で陸軍野戦病院の看護要員を務めた女学生らの「ひめゆり学徒隊」。生徒と教師240人のうち136人が犠牲となった中、当時16歳の少女が生死のはざまでつづった「日記」をもとに、町秘書人事課の高木真之参与(60)が脚本を執筆した。
出演者とスタッフを含め町職員22人が参加し、7月以降、平日の夜に稽古を重ねている。今年はセリフを覚えて演じる場面を増やしたという。
7月30日の制作発表会で、主役の新垣ケイ子を演じる町秘書人事課の高見陽菜(はるな)さん(28)は「ひめゆり学徒隊は現在なら中高生ぐらいの青春を楽しむ年代。当時の悲惨な環境で精いっぱい生きた人たちがいたから、今の私たちの幸せな生活があることを伝えたい」と意気込みを見せた。初めて出演する町住民保険課の渡邉はるなさん(20)も「役のもつ意味を精いっぱい演じたい」と緊張気味に話した。
阪本正人町長(65)は、全国でも珍しい町独自の朗読劇を続ける意義を「(戦争を経験した)語り部が高齢になって少なくなる中で、劇で戦争の悲惨さを情報発信できれば」と強調。高木参与も「素人の拙い芝居だが、(観客らに)何かひとつ心に残るものがあれば」と話した。
公演は7日午後3時、8日午前11時からの2回。入場無料で全席自由席(約1000席)。手話通訳もある。同ホール前のロビーでは12日まで、ひめゆり学徒隊を紹介するパネル展(3、10の両日は休館)を併催。問い合わせは町秘書人事課(0745・76・2501)へ。(西川博明)