
海洋保全や気候変動対策を議論する「世界島嶼国海洋会議」は4日、島嶼国支援の基金創設を柱とする行動計画を発表し閉幕した。会議では海洋環境が気候変動や国際的議論の停滞、専門家不足などの「複合危機」に直面しているとの懸念を参加国間で共有。解決には具体的行動が急務だとして、本会議を新たな国際協調の枠組みと位置付けることを決定した。
基金は、会議を主催した日本財団と共催の国連教育科学文化機関(ユネスコ)政府間海洋学委員会が共同で創設する。両機関は資金面での協力を強化し、島嶼国が直面する気候変動や海洋汚染などの課題に対して持続可能な支援を提供する方針だ。
行動計画には、島嶼国の人材育成や、海面上昇と海底地形データを集約する拠点を東京に設置することが盛り込まれた。これにより、科学的根拠に基づく政策立案と地域の適応能力向上を目指す。
会議には太平洋やインド洋、カリブ海の島嶼国など30カ国超の首脳や閣僚ら計約300人が参加。各国の代表は、海面上昇や海洋生態系の劣化が国家安全保障や経済に与える影響について意見を交わした。
今回の会議を機に、島嶼国間の連携が一層強化される見通しだ。日本財団は今後、基金を通じて技術支援や教育プログラムを拡充し、国際社会の協力を呼びかける方針を示している。