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指定難病「進行性骨化性線維異形成症(FOP)」の患者細胞から作った人工多能性幹細胞(iPS細胞)で病気を再現し、約7千種類の既存薬や化合物の中から治療薬候補を見つける「iPS創薬」が、根治療法のない難病研究を大きく前進させている。細胞を移植する再生医療だけでなく、患者由来の細胞を使って薬を探すアプローチが治験にまで到達した。
FOPは筋肉や腱、靱帯などの組織内に徐々に骨ができ、体の動きが奪われていく指定難病だ。進行すると関節が固まり、日常生活に大きな支障をきたす。根本的な治療法は確立されておらず、新たな治療薬の開発が待たれている。
患者の山本育海さん(28)は小学6年生だった平成22年、病気が悪化する危険を承知で京都大に皮膚細胞を提供した。自身の経験が将来の治療薬につながることを願い、研究への協力を決断した。山本さんを含む複数の患者の細胞が研究に活用された。
京都大の研究チームは、患者の皮膚細胞からiPS細胞を作製し、病気の特徴を試験管内で再現。約7千種類の既存薬や化合物をスクリーニングして治療薬候補を特定し、治験へと進めた。難病治療への新たな道を切り開く成果として期待されている。
iPS細胞の応用は細胞を移植する再生医療だけにとどまらない。患者の細胞で病態を再現して薬の効果を調べる「iPS創薬」は、希少疾患や難病の治療薬開発を加速させる手法として注目を集めている。今回の取り組みは、その大きな一歩となる。