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京都市左京区の京セラ美術館で開催中の「浮世絵スーパークリエイター 歌川国芳展」(産経新聞社など主催)では、展示作品を5回に分けて紹介している。第2回は、妖怪・土蜘蛛にまつわる浮世絵《主馬佐酒田公時 靭屓尉碓井貞光 瀧口内舎人源次綱と妖怪》を取り上げる。
江戸時代中期、妖怪画の流行を牽引した鳥山石燕の代表作「画図百鬼夜行」には、どこかユーモラスな姿の妖怪が数多く登場する。だが時代が進むにつれ、妖怪は恐怖を煽るよう描かれる傾向が強まった。国芳が手掛けた「相馬の古内裏」に登場する巨大な骸骨は、そのまがまがしい作風の典型といえる。
国芳は同時に、笑いを誘う妖怪画も数多く残している。本作では、主君・源頼光が土蜘蛛の呪いにより病に臥せっている間、不寝番を務める家来たちが碁を打つ様子が描かれている。黒石を打つ酒田公時(坂田金時)は茶汲み童の上唇を掴み、左手で白石をつまむ源次綱(渡辺綱)はろくろ首の頭を抑え込む。いずれも妖怪をものともせず、豪快にあしらう勇姿が印象的だ。
その一方で、中央に描かれた碓井貞光の肩を叩く一つ目入道をはじめ、本来恐ろしい存在である妖怪たちはどこか間抜けでポンコツな様子で表現されている。その姿は見る者に笑いと同時に哀愁を感じさせる。
(正木利和)