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長崎県佐世保市にある国の特別史跡「福井洞窟」で平成24年に出土した旧石器時代末期の骨片が、イノシシやシカといった中型偶蹄類のものである可能性が高いことを、澤田純明・新潟医療福祉大教授(考古動物学)らの研究チームが突き止めた。旧石器時代の遺跡で中型偶蹄類の骨片が確認されたのは、西日本で初めて。
骨片は高温で焼かれており、兵庫県佐用町にある世界的な大型放射光施設「スプリング8」で分析に成功した。当時の人々がイノシシを食べていた可能性も十分に考えられ、日本人の食のルーツをたどる貴重な手掛かりとなりそうだ。
福井洞窟で見つかった骨片が中型偶蹄類のものとされる根拠は、骨片の内部構造だ。骨片は高温で焼かれていたため、化学的に変性しており、DNA(デオキシリボ核酸)やタンパク質による分析は困難だった。
そこで用いたのが、貴重な骨片を破壊せずに内部構造を詳しく観察できるスプリング8だった。この施設の放射光を用いることで、骨片の微細な構造を明らかにすることができた。
この発見は、旧石器時代の西日本における人類の食生活を理解する上で重要な意味を持つ。今後のさらなる研究によって、当時の人々の暮らしや環境がより詳細に解明されることが期待される。