
「空飛ぶクルマ」や物流ドローンの開発を手掛ける株式会社SkyDrive(愛知県豊田市)は4月24日、西日本高速道路(NEXCO西日本)と新たな連携協定を締結したと発表した。この協定は、高速道路のサービスエリア(SA)やパーキングエリア(PA)を拠点とした、次世代モビリティ事業の可能性を検証することを目的としている。両社は今後、既存の交通インフラと空の移動を融合させることで、地域活性化や新たな価値創造を目指す構えだ。
具体的な検討事項として、高速道路上に約10キロメートルから30キロメートル間隔で設置されているSA・PAに、「バーティポート」と呼ばれる離着陸場を併設する案が浮上している。この拠点を活用し、空飛ぶクルマによる周辺地域の遊覧飛行といった観光ビジネスの実現可能性を多角的に調査する。高速道路の利用者が休憩の合間に「空の旅」を楽しめるような、これまでにない利便性とエンターテインメントの提供が期待されている。
また、今回の連携は観光面だけでなく、防災・減災の観点からも重要な意味を持っている。大規模な災害が発生した際、空飛ぶクルマを用いて迅速に被災状況を把握したり、物資の搬送を行ったりするインフラとしての活用法が模索される。SA・PAは広大な敷地とアクセス性を備えているため、有事の際の活動拠点として極めて有効に機能する可能性を秘めている。
SkyDriveの福澤知浩CEOは、今回の取り組みについて次のような期待を寄せている。「SA・PAは、多くの方々が訪れる地域のハブ。ここに空の拠点が加わることで、SA・PAは“通過点”から“感動的な空の体験に出会える目的地”へと進化する。防災といった社会インフラとしての機能も強化し、地域の安全・安心にも深く貢献できる」と説明している。この言葉通り、高速道路の役割そのものが大きく変わろうとしている。
空飛ぶクルマは、電動化や自動化、垂直離着陸技術を組み合わせた次世代の移動手段として世界中で注目を集めている。SkyDriveは2028年の商用化を見据えて精力的に開発を続けており、2025年の大阪・関西万博での飛行も計画中だ。今年2月には東京都内でもデモフライトを成功させており、今回のNEXCO西日本との連携によって、社会実装に向けた動きがさらに加速することは間違いないだろう。