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情報漏えいのニュースでよく目にする「平文」という言葉。音読みすれば「へいぶん」だが、通信やIT業界では暗号化されていないデータを指す「ひらぶん」という読みが広く使われている。その由来を探る。
オンライン国語辞典で「平文」を引くと、「へいぶん」と「ひらぶん」の両方が掲載され、説明も同一だった。どちらの読みも誤りではないと分かる。
業界の老舗用語サイト「通信用語の基礎知識」によれば、読みは「ひらぶん」で、「かつて、日本軍は漢字を湯桶読みする習慣があり、これを『ひらぶん』と読んでいた」と説明されている。
湯桶読みとは「雨具(あまぐ)」「身分(みぶん)」のように1字目を訓読み、2字目を音読みする読み方。旧日本軍は無線通信などで音読みによる誤認を防ぐため、こうした特殊な読みを用いていたという。聞き間違い防止という目的は納得がいく。
ただし、同サイトは続けて「1970年代から『明るい暗号運動』という暗号技術を普及させる運動が高まり、JISでは『へいぶん』という読みで登録された」と説明している。
JISが「へいぶん」を採用したのは1987年の情報処理用語規格「JIS X 0008」だが、2001年の改訂版「JIS X 0008:2001」では「平文(へいぶん、ひらぶん)」と併記されている。改訂に関わった誰かが「へいぶん」単独表記に異議を唱えた可能性が考えられる。
さらに調べると、JIS X 0008:2001は2017年に廃止されていた。後継の「JIS Q 27000シリーズ」を日本産業標準調査会のサイトで検索したが、「平文」の表記にはふりがなが一切付いていなかった。余計な混乱を避けるため、あえて記載しなかったのだろう。
結論として、「へいぶん」「ひらぶん」どちらも誤りではない。ただしIT業界では「ひらぶん」の方がより自然に響く。