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9日のれいわ新選組の公式会見で、山本太郎氏が健康上の理由による代表辞任と政界引退を表明した。
山本氏がれいわの公式会見に出席したのは、参院議員辞任を表明した1月21日以来、約半年ぶりのことであった。この間、3月12日に「週刊新潮」がれいわによる組織的な秘書給与詐取と山本氏を巡る道交法違反の疑惑を報じたが、山本氏は説明責任を果たさなかった。
秘書給与詐取疑惑は、元れいわ衆院議員の多ケ谷亮氏が党の通信記録を証拠に「公設秘書枠を党に上納するよう要求された」と内部告発したものである。党は「弁護士に確認して法的に問題はないとの見解を得ています」という権威論証で否定した。しかし、特別職の国家公務員である公設秘書は国会議員の指示の下に職務を補佐する存在であり、党の指示の下に党務を行う存在ではない。
血税から政党助成金を受けている国政政党が、国会議員の意に反して、血税で雇用されている公設秘書を党務に専従させたとすれば、それは納税者に対する背信行為である。
道交法違反疑惑は、山本氏が昨年10月9日に高速道路を走行中にスピード違反を自動取り締まり装置「オービス」に検知されたというものである。山本氏は警察からの連絡を長期間放置し、国民に対して説明も謝罪も行わなかった。後に法定速度を大幅に超える時速149キロという人命をも奪いかねない違反だったことが判明したが、党は違反の処分が確定していないことを理由に詳細を今月まで隠し続けた。
3月の「新潮」の報道で明らかになったこれらの疑惑について、当時報じた大手紙は産経、東京ぐらいで他紙は国民の知る権利に応えなかった。元衆院議員と元秘書らの証言が存在し党も事案の存在を認めているにもかかわらず報道を見合わせたのである。
一方で、その後「週刊文春」が掲載した高市早苗首相を巡る中傷動画疑惑については、多くの新聞が情報ソースの真偽の確認もせずに瞬時に飛びつき、「首相の説明 納得できぬ」(朝日社説)、「はぐらかしは通用しない」(毎日同)などと大々的に報じた。
民主主義を担う国政政党と国会議員に対しては、その政治的影響力に関係なく、法の支配の大前提である法の下の平等に基づいて厳格に疑惑の存在を報じた上で調査・検証を行うのが、権力を監視する番犬「ウオッチドッグ」としての新聞の使命と考える。
れいわを巡る疑惑については、「手加減した」と言われても仕方ない新聞の不可解な報道姿勢に納税者も納得できないのではないだろうか。