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フルリモート勤務の普及は、場所や時間にとらわれない働き方の自由を拡大した。その一方で、現場ではレスポンスの遅延や会社と個人のつながりの希薄化といった新たな課題が浮上しており、人事関係者の間で戸惑いが広がっている。
特に問題視されているのが、管理の目が届きにくい勤務実態だ。アロハシャツ姿で飲酒疑惑をかけられたワーケーション課長。地方へ「こっそり移住」したまま勤務を続ける社員。こうした事例がSNSや社内で話題になり、リモート勤務は「無法地帯」と揶揄されることもある。
人事部は、場所を選ばない働き方を認めつつも、会社の秩序をどう維持するかで葛藤を抱えている。勤怠管理や業務報告といった従来の仕組みはリモート環境に必ずしも対応しておらず、評価や処遇の線引きに悩む担当者は少なくない。
一部の企業では、リモート勤務のガイドラインを整備し、コアタイムの設定や定期的な1on1ミーティングを導入する動きが出ている。しかし、位置情報の取得やアクセスログの監視は社員の反発を招く恐れがあり、バランスをどう取るかが難題となっている。
「自由」と「規律」の狭間で、人事部門は試行錯誤を続けている。リモート時代に求められるのは、時間や場所で縛る「管理」ではなく、成果や信頼に基づく新たなマネジメントなのかもしれない。