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イラン国会のエブラヒム・アジジ国家安全保障委員長は11日、SNSに「米国人の死傷者数はトランプ大統領が確認したものを上回っており、さらに増える。戦争はこの地域だけに限らない」と投稿し、米国を挑発した。イランは米軍の攻撃で損傷した軍事拠点の再建を急ピッチで進めているとされ、長期戦も辞さない構えだ。
米CNNは5月下旬、米情報筋の話として、イランが4月上旬の米国との停戦合意後、ドローン製造拠点の復旧を進め、再び製造を始めたと報じた。ミサイルの増産も可能とみられ、中露の支援もあって「再建は予想以上に早い」との見方を示した。
イランは10日、クウェートやバーレーン、ヨルダンの米軍駐留基地などを攻撃した。大きな被害はなかったようだが、開戦当初の3月には多数のドローンを連ねた攻撃で、ペルシャ湾岸諸国の迎撃網をかいくぐり、石油精製施設などに打撃を与えた。
一方、イランが事実上封鎖しているホルムズ海峡を巡り、トランプ氏は10日、原油を積んだ複数のタンカーが秘密裏に米軍の護衛を受けて海峡を通過し、外洋に出たと述べた。実態は不明で、ロイター通信はこれに先立ち、イランは大半の船舶の航行制限を維持していると報じていた。
イランは戦闘の早期収束を目指すトランプ氏に「海峡封鎖」のカードを突きつけ、在外イラン資産の凍結解除やレバノンの親イラン民兵組織ヒズボラに対するイスラエルの攻撃停止など、最大限の要求を飲ませる狙いとみられる。
イランの関与が指摘されるオマーン沿岸での米軍ヘリコプター墜落について、米シンクタンクの戦争研究所はイランが「海峡の支配権を主張」したとの見方を示した。
イランのイラバニ国連大使は10日、持続可能な戦闘終結は「脅迫や軍事力の行使を通じてはなしえない」と主張した。イランは海峡封鎖を盾に、成果を急がず米国と渡り合う腹積もりとみられる。(佐藤貴生)