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記録的な猛暑が続く日本で、ソニーのウェアラブル冷却デバイス「REON POCKET」がビジネスパーソンを中心に急速に普及している。累計出荷台数は84万点を突破し、約2万7000円という価格でも売れ行きが衰えない。首元に装着するだけで体感温度を下げられるこの製品は、エアコンが効かない通勤電車や屋外作業、さらには在宅勤務の室内でも使われ、都市生活者の新常識となりつつある。
REON POCKETは冷却と加温の両方に対応し、スマートフォンアプリで細かく温度調節が可能だ。初代モデルから改良を重ね、最新の「REON POCKET 5」では冷却性能が大幅に向上。ペルチェ素子の効率化とバッテリーの大容量化により、真夏日の屋外でも約4時間の連続使用が実現した。ユーザーからは「冷えすぎず自然に体温を下げてくれる」と好評で、ビジネスシーンでも違和感のないデザインが受け入れられている。
開発の背景には、従来の空調服のような大きなベストではなく、個人が手軽に身につけられる“スマートクーラー”を目指したソニーの発想がある。開発責任者は「暑さ対策はもはや趣味ではなく、生活の質を左右する課題。オフィスでも外でもシームレスに使える製品を追求した」と語る。ユーザーからのフィードバックを基に、風量や冷却プレートの接触面積を最適化し、付け心地と効果のバランスを徹底的に追い込んだ過程がヒットにつながった。
海外展開も加速しており、東南アジアや中東、欧米の猛暑地域で販売を拡大している。特に中国やインドでは、日本の猛暑以上に厳しい高温多湿環境に対応するため、現地でのテストを繰り返し、冷却強度やバッテリー持続時間を調整した。グローバルでの累計出荷数はすでに100万台を超え、ソニーの新たな収益柱として成長している。
今後の課題はさらなる小型化と低価格化だ。現在の製品はやや厚みがあり、襟元が詰まった服では使いにくいとの声もある。ソニーは次世代モデルで薄型化とコスト削減を進め、3万円を切る価格帯を維持しながらより多くの層に届ける計画だ。気候変動で酷暑が常態化する中、REON POCKETのような個人用クーリングデバイスは、エアコンに代わる新たな防暑インフラとして定着する可能性を秘めている。