
朝日新聞社は3月から4月にかけて、政治意識に関する全国世論調査を郵送方式で実施した。この調査では、圧倒的な軍事力や経済力で他国を従わせようとするトランプ米大統領の「力による平和」という姿勢について詳しく尋ねている。集計の結果、この姿勢を「評価しない」と答えた人は84%に達し、「評価する」の10%を大きく上回った。
世代別の回答を見ると、トランプ氏の姿勢を「評価しない」とする意見はすべての年代で7割以上に及んでいる。若年層から高齢層まで、米国の強硬な外交方針に対して一貫して厳しい目が向けられていることが浮き彫りとなった。日本国内においても、トランプ政権の予測不能な行動に対する警戒感が広範に共有されている現状が示された形だ。
トランプ氏は2025年1月の就任以来、一方的な関税措置を次々と打ち出すほか、イランやベネズエラへの軍事攻撃を強行してきた。こうした動きは、米国自らが主導してきた「法の支配」に基づく戦後の国際秩序を根底から揺るがすものと捉えられている。国民の多くは、対話よりも圧力を優先する現状の米国外交が国際社会の安定に寄与していないと判断している。
世論の反応は厳しく、トランプ氏の政策は「力による平和」などではなく「支離滅裂」なものだという批判的な指摘も散見される。中には「軍事力を利用した株価操作による大儲け」以外の何物でもないという極端な不信感を抱く層も存在しており、不透明な政治手法への反発は根強い。本来のリアリズムが説く「力による平和」は慎重な外交を伴うものだが、現政権は「力」で「平和」が全く実現できていないという評価が支配的だ。
米国内ではトランプ氏を戦争をしても「救世主」と見なす動きがある一方で、国際社会では歴史に学ばない暴挙との懸念が消えない。エネルギー価格の高騰に直面する現場からは「どうこうできない」との諦めにも似た声が漏れ、インド料理店などの経営者からは「店を閉じるしか」ないという悲鳴も聞こえてくる。世界がトランプ政権に振り回される中、日本には現状を打破するための多角的な外交力が問われている。
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