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気温が急上昇する季節は、ドライブ後の虫汚れに注意が必要です。高速道路や郊外路を走ったあとは、早めに落とすことがシミ予防の基本となります。
春から夏に向けて気温が上がってくると、ドライブの注意ポイントがひとつ追加されます。それが地方の幹線道路や高速道路などで遭遇する虫です。地域や走行ルートによっては、雨が降っていないのに走行中にプチプチ、パチパチとフロントウインドウやボンネット、バンパーに何かが当たる音が聞こえることがあります。その音の原因は多くの場合、虫の衝突です。
フロントウインドウを見ているとよくわかりますが、高速走行していると虫は一瞬でつぶれ、原形をとどめない残骸になってしまいます。牧場の近くや山間部など虫の多いルートを走り、パーキングで休憩した際にクルマへ大量の虫の死骸が付着しているのを発見し、ぞっとした経験があるドライバーもいるでしょう。
しかもたかが虫と甘く見てはいけません。虫の死骸は実は要注意です。粘着質の残骸が残ることも多く、ウォッシャー液やワイパーだけでは完全に除去できない場合があります。さらに厄介なのは、こびりつくだけでなく放置するとシミになったり、時間の経過とともに除去しにくくなったりするケースがあることです。
愛車をいつもピカピカにしているユーザーなら、虫が付着した状態を見るとすぐさま洗車したくなるでしょう。しかしドライブ先では本格的な洗車は難しいです。せいぜいできることと言えば、ペットボトルに水を汲んで洗い流す程度です。お湯を使うと除去しやすいですが、出先で用意するのは現実的ではありません。結局、粘着性のある虫の死骸は水だけではなかなかきれいに落とせません。
そこで用意しておきたいのが虫除去系のクリーナーです。まず走行中に虫の付着がもっとも気になるのはフロントウインドウでしょう。大量の虫がガラスに付着すると視界が妨げられ、ウォッシャー液とワイパーで対応しても汚れが広がるだけで視界がクリアにならないこともあります。これは安全運転の面でもかなり危険です。
クルマに常備しておきたいのがスプレータイプのガラスクリーナーです。油脂溶解成分やアルコールを配合したクリーナーなら、虫の残骸に含まれる油脂や粘着成分を効率よく落とせます。ゴシゴシこする必要が少ないため作業もスピーディで、ガラスやボディを傷めるリスクを抑えやすいのもメリットです。筆者も実際にたびたび使っていますが、この手の洗車アイテムの中でも虫汚れへの効果が高いアイテムのひとつだと感じています。
一方、ボディやバンパーを含めた虫除去全般を担当するアイテムとして、虫取りクリーナーと呼ばれるジャンルもあります。虫取りクリーナーは弱アルカリ性成分や酵素を含むタイプが多いのが特徴です。これらは虫の死骸に含まれるタンパク質などを分解し、汚れを除去しやすくすることを目的としています。
シャンプーなどに用いられる中性洗剤より、虫汚れを効率よく落とせるのはそのためです。ただし洗浄力を優先してアルカリ性の強い洗剤を使うと、塗装面や未塗装樹脂への影響が心配になります。虫対策として応急的に使うなら、ボディ対応を明記した専用の虫取りクリーナーを選ぶのが安心です。ガラスクリーナーとして使える兼用タイプもあるので、車内に1本だけ常備するなら対応範囲の広いタイプを選んでおくのも良いでしょう。
虫取りクリーナーには大きく分けて、ウェットシートタイプ、トリガーで吹き付ける液体タイプ、泡状の液剤タイプがあります。それぞれにメリットと注意点があるため、使用する場面で選び分けたいところです。
手軽さではウェットシートタイプが優れています。拭き取りクロスを用意する必要がなく、そのまま汚れ部分を拭き取って捨てられます。ただし虫の付着が広範囲だったり、乾いて固着していたりする場合は力が入りやすいです。塗装面にキズを付けないためにも、無理にこすらず水やクリーナーで汚れをふやかしてから使いたいです。
液体タイプは広い面に吹き付けやすく、ガラスやボディの部分汚れに対応しやすいです。使いやすい一方で、垂れやすい場所では成分が汚れにとどまりにくいこともあります。使用後は乾いたクロスで拭き上げるか、可能であれば水で流して仕上げるとムラを防ぎやすいです。
虫の付着がヘビーな状態で役に立つのが泡タイプです。噴霧した泡が流れ落ちにくく、一定時間汚れ部分にとどまってくれるため、固着した虫汚れをふやかしやすいです。しばらく時間を置いて液剤を浸透させたうえで拭き取れば、力を入れずにきれいに除去しやすいのがメリットです。ただし炎天下では泡が乾きやすいため、日陰やボディが熱くない状態で作業するのが基本になります。
ドライブで付着した虫は、放置すると虫由来の体液や油脂が原因でシミになることがあります。長時間放置するとカーシャンプー程度では落とせなくなり、最悪の場合はコンパウンドで処理する必要が出てくることもあります。そうならないよう、できるだけ早く対処することが大切です。
虫汚れ対策はスピードが重要です。ドライブ中やドライブ直後に対応できるよう、クルマに虫取りクリーナーやガラスクリーナー、柔らかいクロスを常備しておくと安心です。視界確保はもちろん、愛車をきれいに保つ精神衛生上のメリットも大きいです。結果として安全運転にもつながるので、虫クリーニングは早めの処理を心がけたいです。
土田康弘|ライター。デジタル音声に関わるエンジニアを経験した後に出版社の編集者に転職。バイク雑誌や4WD雑誌の編集部で勤務。独立後はカーオーディオ、クルマ、腕時計、モノ系、インテリア、アウトドア関連などのライティングを手がけ、カーオーディオ雑誌の編集長も務めました。現在もカーオーディオをはじめとしたライティング中心に活動中です。