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かつて「手の届くドイツ車」として幅広い世代に支持されてきたフォルクスワーゲン(VW)。しかし今や平均車両価格は500万円を超え、購入者の約半数が60代以上、中心車種はSUVへと移り変わりました。VWはなぜこれほどまでに姿を変えたのでしょうか。
この10年、VWの日本市場での立ち位置は明らかに変化しています。2010年代前半にはコンパクトなゴルフやポロが若いファミリー層にも購入しやすい価格帯で販売されていましたが、新車価格の上昇が続き、現在では平均車両価格が500万円を突破するまでになりました。円安や安全装備の充実、電動化への投資負担が価格に反映された結果です。
購入者の年齢構成も大きく変わりました。10年前は30代から40代の現役世代が中心だったのに対し、最近のデータでは購入者のおよそ半数が60代以上を占めています。退職後のゆとりある資金を背景に、品質やブランド力を評価してVWを選ぶシニア層が増えている一方、若い世代が手を出しにくい価格帯になりつつあることがうかがえます。
車種構成でもSUVへのシフトが鮮明です。かつて看板モデルだったゴルフに代わり、ティグアンやTクロスなどSUVモデルが販売の中心を占めるようになりました。日本市場でも大人の趣味車としての側面が強まり、実用性や大衆性よりもデザインや走行性能を重視するユーザーに支持されています。
一方でVWには課題も残っています。価格の高級化と購入者の高齢化が進むなか、若年層への訴求やEV時代に向けた新たなブランド戦略が急務です。手の届くドイツ車というかつてのイメージからどう脱却し、次世代の顧客を獲得するのか。VWの選択が日本の輸入車市場の行方を左右することになります。