
中国の習近平国家主席が7年ぶりに訪朝し実現した中朝首脳会談を巡り、韓国メディアは10日、中朝関係が実質的な「戦略的パートナー」に強化されたとの見方を伝えた。韓国側では、北朝鮮が安全保障面でロシアと関係を強め、経済面では中国からの支援を受ける「安露経中」体制を鮮明にし、非核化を求める韓国との対話には応じなくことへの懸念が強まっている。
韓国メディアは、中朝首脳が「地域・国際問題」について意見を交わしたとしながら、公式発表に北朝鮮の非核化や朝鮮半島問題への言及が一切なかったことに注目した。
韓国統一研究院の洪珉(ホン・ミン)先任研究委員は革新系紙の京郷新聞に、「中国にとって北朝鮮は朝鮮半島での管理対象から、地域と国際的な懸案を共助し、米国を牽制(けんせい)するパートナーとして地位が高まった」と分析。同紙は、北朝鮮が「核保有国」としての地位を確保する目的で中露2大国との関係を強める一方で、「非核化のため韓国が求める対話と圧力という手段は力を失っている」と指摘した。
韓国の保守系紙、朝鮮日報は、習氏が金正恩(キム・ジョンウン)政権で初めて「軍事交流」への意欲を語ったことに注目。日米韓の安保協力拡大と台湾海峡の緊張を背景に、中国には、北朝鮮との軍事協力を強化し「戦略資産」として活用する思惑があるとの見方を示した。
一方、北朝鮮メディアは中国との軍事交流に触れず「政治・経済・文化など各分野での交流と協力」と表現するなど微妙な温度差がある。保守系紙の東亜日報は、「ロシアと蜜月関係にある北朝鮮が、中国の影響力が復元された印象を避けようとした」と伝えた。
北朝鮮の朝鮮中央通信は8日の首脳会談について、「満足な見解の一致」があったと評した。同通信によると、9日に帰国した習氏は金氏に電報で謝意を示し、双方が関心を持つ問題について「重要な共通認識」に達したと評価。「訪問成果に満足している。中朝関係は新たな歴史的道程に入った」とした。