
米ハワイ州ホノルルの連邦地裁は11日、安全保障上の機密情報を中国政府に提供したスパイ活動で、中央情報局(CIA)の元工作員アレクサンダー・ユク・チン・マー(馬玉清)被告(71)に禁錮10年の実刑判決を言い渡した。司法省が同日発表した。
司法省やAP通信によると、被告は香港生まれで、ホノルル移住後の1975年に米市民権を取得。1982年からCIAに勤務し、最高レベルのセキュリティー・クリアランス(適格性評価)を保持していた。
CIA退職後の2001年、中国側からの要請で、同じくCIA工作員だった兄と上海市国家安全局関係者を橋渡ししたほか、大量の機密情報を提供する見返りに現金5万ドル(約710万円)を受け取った。
被告は2004年に連邦捜査局(FBI)のホノルル事務所で言語専門家の職に応募。この時点ですでに中国側と通じていることを察知していた米側は、被告を雇用して諜報活動を監視した。その後約6年間、被告はFBIから盗み出した文書類を中国に運び、多額の現金や高級ゴルフクラブセットなどを受け取っていた。
被告は2020年、FBIのおとり捜査で逮捕された。その過程で、中国側諜報員を装った捜査官に対し、スパイ活動の動機は「母国の成功」のためだと語った。外国政府への諜報協力は終身刑もあり得る罪だが、今回は司法取引が認められた。