
社民党は29日、東京都内で党大会を開き、党首選で再選された福島瑞穂氏の続投と、服部良一幹事長の後任にラサール石井副党首を充てる人事を正式に決めた。しかし、党首選の結果発表の記者会見で、福島氏に敗れた大椿裕子前参院議員の発言を認めなかった「発言封じ」が波紋を広げた。出席者からは「真摯(しんし)な反省」と「民主的な」党運営を求める声が上がり、来賓も苦言を呈する異例の一幕となった。
来賓あいさつに立った全国労働組合連絡協議会の渡辺洋議長は、この「発言封じ」に直接言及。福島氏が「配慮が足りなかった」などと釈明したことに対し、「混乱への言い訳に終始した印象しか残っていない」と厳しく批判した。渡辺氏は「リベラル勢力を束ねる役割は必要だが、それをいまの社民党に求めることができるのか」と問いかけ、党運営に根本的な疑問を投げかけた。
福島氏は大会であいさつし、高市早苗政権の憲法改正をめざす動きについて「かつてないほど改悪の危機にさらされている」と主張。殺傷能力のある武器の輸出全面解禁を「死の商人国家にさせてはならない」と批判した上で、「社民党の出番だ」と支持を訴えた。
党大会の人事では、最高決定機関である常任幹事を「福島派」が独占したとの指摘が強まった。かつて福島氏は「わが党は共産党とは異なり、党首公選制をとる中央集権的ではない政党だ」と強調していたが、今回の事態でその言葉との乖離が浮き彫りになった。党内では亀裂が再び露呈し、民主的な運営を求める声が消えない。
社民党の混乱は党内だけにとどまらず、リベラル勢力全体の求心力低下につながる可能性がある。渡辺議長の苦言は、党内外から「言い訳」と受け取られた福島氏の対応に対する厳しい評決であり、今後の党運営の行方が注目される。
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