
ロイター通信は5月31日、米商務省が米エヌビディアや米アドバンスト・マイクロ・デバイシズ(AMD)などの先端半導体の輸出規制を強化したと報じた。中国に本社を構える企業に対しては、中国国外の拠点に米国から輸出する場合でも、許可の取得を義務付ける規則を厳格に適用する。
ロイターによると、トランプ政権が昨年5月、バイデン前政権時に導入した規則の執行を止めたことで、抜け穴が生じていた。この措置は、政権交代後の政策転換により、約1年間にわたり規制の実効性が低下したことを示す。
この間、マレーシアなどに拠点を置く中国系人工知能(AI)企業に、高性能AI向け半導体が輸出されていた可能性があるという。米商務省は、こうした第三国経由の迂回輸出を防ぐため、規制の対象範囲を明確化した。
業界関係者は、中国系企業に渡った半導体は数十万個規模に及ぶと推測しているという。この数字は、規制の抜け穴が広範な技術流出を許した可能性を示唆する。
今回の規制強化は、米国が先端技術の安全保障を優先し、中国への半導体供給を厳しく制限する姿勢を改めて強調した形だ。今後の中国系企業のAI開発や、米半導体メーカーの売上への影響が注目される。