
米国防総省は8日、中国の電子商取引大手アリババグループを中国軍と関連のある「中国軍事企業」に追加指定したリストを公開した。このリストは10日付の官報で正式に公示される予定で、米国政府の対中安全保障政策の一環とみられる。
トランプ政権は、国内外で広くサービスを展開するアリババが、利用者のIPアドレスや決済記録などの顧客情報を中国軍に提供している可能性があると警戒している。情報管理の観点から、同社の事業活動が国家安全保障上のリスクを生むとの判断が背景にある。
今回公開されたリストには、IT大手の百度(バイドゥ)や電気自動車(EV)大手の比亜迪(BYD)、ロボットメーカーの「杭州宇樹科技(ユニツリー・ロボティクス)」など、中国の新興産業をけん引する企業が多数含まれている。これらの企業は米中技術競争の最前線に位置する。
中国側はこの指定に対して強い反発を示すことが確実視され、すでに中国政府関係者からは批判の声が上がっている。5月に両国首脳が会談するなど、対話路線に傾きつつあった米中関係にとって、新たな火種となる可能性が指摘されている。
専門家の間では、この指定が米中関係の緊張を再燃させ、貿易や技術分野での協力に悪影響を及ぼすとの見方が広がっている。今後の両国の対応次第では、国際ビジネス環境にも大きな波紋を呼ぶと予想される。