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サッカーファンを自任する中国の習近平国家主席は国家副主席だった2011年、男子ワールドカップ(W杯)を巡る「3つの願い」を語った。02年以来となる本戦出場とW杯の中国開催、そして優勝だ。しかし習氏肝いりの国家プロジェクトとして選手育成と環境整備を進めてきたにもかかわらず、15年後の現在もそれらの「中国夢」(チャイナ・ドリーム)が実現する見通しは立たない。
W杯北中米大会のアジア最終予選C組で中国代表は、日本との2試合に0-7、1-3で敗れるなど5位にとどまり本戦出場を逃した。開催国の日韓が予選免除となった02年大会に初出場して以降、中国は24年にわたって本戦のピッチに立っていない。今回はアジアの出場枠が従来の4.5から8.5に大幅増となったにもかかわらず機会を逃し、中国のサッカーファンのいらだちは募る一方だ。
中国は24日現在、国際サッカー連盟(FIFA)ランキング91位。習氏が「3つの願い」を語った11年7月時点の73位から後退している。
なぜ中国は人口14億人を擁しながら、高い技術を持つイレブンをそろえられないのか-。誰もが抱く疑問である。しかも中国は五輪の個人競技などでは卓越した成績を収めているのだ。
「反復練習と一元化されたトレーニングシステムが成功をもたらす個人競技とは対照的に、サッカーは即興性と予測不能性、深く根付いた草の根の基盤に依存している」。北京に拠点を置くスポーツジャーナリスト、マーク・ドレイヤー氏は英誌エコノミスト(電子版)への寄稿で、こうした疑問に答えている。
ドレイヤー氏は、中国の指導者たちが政治的プロジェクトとして目標を設定し、管理を強化する「トップダウン型計画」の手法は、高品質の電気自動車(EV)の量産やインフラの建設においては有効だが、サッカー選手の育成には困難を伴うと指摘する。
成功したサッカー文化は「自由に遊ぶ子供たちと地域に根を張ったクラブ、各種リーグのピラミッドから徐々に浮かび上がる才能」に依存しており、中国のように当局の締め付けが厳しい社会では成熟したサッカー文化が生まれにくいというわけだ。