
6歳以上の子どもだからといって、チャイルドシートを外すのは危険だ。道路交通法で使用が義務づけられているのは6歳未満だが、大人用シートベルトでは体の小さな子どもを十分に守れない。行楽シーズンを前に、車内での子どもの安全について改めて考える必要がある。
チャイルドシート専門店「チャイルドシートラボ」(東京都渋谷区)には、小学生の子ども向けにシートを買いに来る親が2年前から増えている。きっかけは2024年8月に福岡市で起きた事故だ。7歳と5歳の姉妹が死亡し、姉妹はシートベルトを着けていたが、チャイルドシートはなかった。
長女の死因は多臓器損傷による出血性ショックで、次女も内臓を損傷した。運転していた母親に対する刑事裁判で、法医学の医師は「仮にチャイルドシートを適切に使用していれば、内臓圧迫による損傷には至らなかった可能性がある」と見解を示した。この事故を知った客からは「シートなしでこのまま乗せ続けるわけにはいかない」という声が上がったという。
道路交通法でチャイルドシートの使用義務が「6歳未満」と定められた背景を国会議事録で調べると、1999年3月の警察庁交通局長の答弁に行き着く。この基準により「6歳未満はチャイルドシート」という意識は定着したが、子どもの身長という概念が軽視されがちだ。多くの人は「チャイルドシートを卒業したら、そのままシートベルト」と思い込んでいる。
専門家は「子どもがぐずる」「面倒」といった理由でシートを外す行為に警鐘を鳴らす。実際、調査によると6歳以上の子どもで一般道では6割、高速道では7割がチャイルドシートを使っていない。日本自動車連盟(JAF)は推奨基準を身長140センチから150センチ未満に引き上げるなど、対策を強化している。子どもの命を守るためには、年齢だけでなく体格に応じた適切な安全装置の使用が不可欠だ。
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