
ロシアのプーチン大統領は5日、露主催の国際会議「サンクトペテルブルク国際経済フォーラム」の全体会合で演説し、「現在、露経済の勢いは鈍化している」と述べ、経済減速を認めた。一方で、欧米主導の既存の貿易制度を「搾取のシステム」だと批判し、ロシアや中国など主要新興国でつくる「BRICS」の成長が公平な世界経済を実現させるとの持論を展開した。
プーチン氏は演説で、昨年のロシアの財政赤字が国内総生産(GDP)の2.6%だったとした上で、「財政赤字は今年末までにさらに拡大する可能性がある」と指摘した。また、「露政府には来年以降、経済を安定的成長に回帰させるという任務が課されている」と述べ、今後の経済政策への決意を示した。
露経済は2022年2月のウクライナ侵略後、軍需産業の活況などで高い成長を続けたが、昨年以降は物価高対策の影響などで減速が顕著になった。昨年の実質GDPは前年比1%増にとどまり、露政府は今年5月、前年比1.3%増と予測していた今年のGDP成長率を0.4%増に下方修正した。
プーチン氏は演説で欧米主導の貿易・金融制度も批判した。欧米は長年、自身の経済ルールを「普遍的・中立的」だと主張してきたが、実際には「政治的圧力や不当競争の道具」として悪用してきたと主張した。
プーチン氏は日米欧などの先進7カ国(G7)に対するBRICSの優位性を強調した。購買力平価ベースでの世界のGDPに占める割合はG7が29%未満である一方、BRICSは約40%に達しており、今後も双方の差は拡大していくとの見通しを示した。