
クラウドファンディングサイト「うぶごえ」を巡る不透明な資金運用が、ついに刑事事件へと発展する様相を見せている。2025年にビジュアルノベルゲーム「パーガトリー・ブルー」のプロジェクトを実施したネオンライト(東京都渋谷区)は4月24日、同サイト運営側に対し刑事告訴の手続きを開始したことを明らかにした。同サイトは4月15日から閲覧不能な状態が続いており、支援金の支払い遅延を訴えるプロジェクト実行者が相次いでいる。
「パーガトリー・ブルー」は、コンポーザーのcittan*氏が手掛ける期待作として注目を集め、2025年7月に実施されたクラウドファンディングでは目標を大きく上回る成功を収めた。485人の支援者から寄せられた総額1093万5092円の支援金は、当初25年11月末に支払われる予定だったが、期日を過ぎても入金は確認されなかった。その後、運営側から示された再三の入金予定日も守られることはなく、事態は膠着状態に陥っていた。
ネオンライト側はこれまで、うぶごえに対して誓約書の提出を求めたり、弁護士を通じて内容証明を送付したりするなど、粘り強く交渉を続けてきた。しかし、現時点に至るまで支援金が全く送金されていないという異常事態を受け、同社は渋谷警察署へ相談し、業務上横領の疑いで刑事告訴の手続きに踏み切った。今後は民事訴訟の提起についても、事態の推移を見極めながら慎重に検討していく方針だという。
深刻な資金難に直面しながらも、同社は公式Xアカウントを通じて、支援者への現状報告と開発継続の強い意志を表明している。現在は自己資金や新たな調達手段を確保することで制作を維持しており、今夏のリリースを目指して全力を注いでいる状況だ。同社は「制作は止めていません。皆様からお預かりした想いを形にする責任は、資金の有無にかかわらず私自身にあると考えております。法的措置は粛々と進めると同時に、『パーガトリー・ブルー』を必ず完成させ、お届けします」と決意を語った。
「うぶごえ」は手数料を支援者から徴収する独自のビジネスモデルで2021年にサービスを開始したが、その信頼性は今や根底から揺らいでいる。著名クリエイターのイシイジロウ氏によるプロジェクトでも2775万円の未送金が発覚しており、プラットフォームとしての機能不全は隠しようがない。夢を支えるはずのクラウドファンディングが、実行者の情熱と支援者の善意を裏切る結果となっている。業界全体からも厳しい視線が注がれる中、運営側の誠実な説明と早急な解決が求められている。
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