
大分県の日出生台演習場で発生した陸上自衛隊の戦車砲弾破裂事故で、新たな事実が判明した。死傷者4人を出した当該の戦車は、事故発生の直前まで通常通りに射撃を行っていたという。陸自関係者への取材により、23日までに明らかになった。極めて異例の事態に、現場には緊張が走っている。
事故当時、演習場では西部方面戦車隊の隊長ら約100人が参加し、大規模な訓練が実施されていた。国産の「10式戦車」6両が訓練に当たり、そのうち3両が同時に射撃を行っていた際に悲劇は起きた。陸自の西部方面総監部(熊本市)は直ちに事故調査委員会を設置した。現在は車両や砲弾の状態、さらには発射手順に不備がなかったかなど多角的な確認を進めている。
今回の事故で使用されたのは、強力な破壊力を持つ対戦車りゅう弾であった。この砲弾は発射前に自動で装填される仕組みとなっており、人為的なミスが入り込む余地は少ないと考えられていた。しかし、砲弾は戦車上部で旋回が可能な「砲塔」と呼ばれる中枢部分で破裂した。どのようなプロセスで爆発に至ったのか、詳細なメカニズムの解明が急がれている。
陸自の記録によると、過去に砲塔内で砲弾が破裂した事故は極めて稀である。遡ること1979年、北海道鹿追町の然別演習場で「61式戦車」の射撃訓練中に発生した1件のみが確認されている。この際の事故では、発射直後に後退した砲身と、次に発射する砲弾の信管が接触したことが原因だった。今回の事故も同様の構造的欠陥や偶発的な接触があったのかが焦点となる。
防衛省および陸上自衛隊は、この重大な事故を重く受け止めている。隊員の安全確保は最優先事項であり、原因が特定されるまで同種訓練の見直しも検討されるだろう。4人の隊員が死傷するという惨事に対し、徹底した再発防止策の策定が求められている。今後の調査結果が、自衛隊の装備運用と安全管理に与える影響は計り知れない。
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