三菱デリカD:5 19年目の真価 走るシーラカンスの恐るべき進化

1 minutes reading View : 4
アバター画像
Haruki Sato
自動車 - 09 6月 2026

かつて三菱が手がけた乗用車『デボネア』は、初代モデルが誕生から22年間にわたってモデルチェンジされることなく作り続けられ、その驚くべき長寿ぶりから「走るシーラカンス」という異名を授かった。この伝説は自動車ファンの間で今も語り草となっている。

翻って最新の『デリカD:5』を見ると、このクルマも「D:5」の名称を得てから今年で19年目を迎えた。あと3年耐え抜けばデボネアの領域に達するため、まさに「2代目走るシーラカンス」と呼ぶにふさわしい存在である。

しかも現行スタイルとなった2019年からはすでに7年目、普通ならばモデルチェンジがささやかれてもおかしくない時期に、三菱は大胆なマイナーチェンジを断行した。おまけに6年目にあたる昨年(2025年)には過去最高の販売台数を記録したというから、「走るシーラカンス」恐るべしである。

今回のマイナーチェンジでは、三菱の伝家の宝刀である車両運動統合制御システム「S-AWC」が装備され、ヒルディセントコントロールなども追加された。その結果、オフロード走行性能にいっそう磨きがかかったことは明白である。ならばその実力を試すのが道理だが、広報車を借り出してリスクを伴うオフロード試乗は、試乗会でやりたいため、今回は見送った。

その代わり、おおよそ500kmを日常で走行してみると、良い点も悪い点も浮き彫りになった。ここでその実体験をお伝えしよう。

デリカD:5には、はっきり言ってライバルが存在しない。本格的なオフロード走行を可能にする4WD機構を搭載したミニバンは、このモデルだけだからだ。そのオフロード性能は本来SUVの領域に属するが、形状はミニバンであるため、競合車種が不在という状況が続いている。

最低地上高は185mmもある。比較対象として、トヨタ『ノア』のそれは140mmであり、デリカD:5がいかに高い地上高を確保しているかがわかる。この高さはサスペンションストロークにも直接影響し、一般的なミニバンよりも大きく取られているはずだ(メーカー公式の発表はないが)。その結果、乗り心地は至ってゆったりとして快適である。

かつてクロカンと呼ばれたオフロード専用車を得意としてきた三菱だけに、その血統をデリカD:5にも注ぎ込んでいる。ステアリングフィールはお世辞にもシャープとは言えないが、それには理由がある。

オフロード主体のモデルに鋭いステアリングを与えると、キックバックに耐えられない。必然的にややダルに設定する必要があり、それが高速走行時には横風に動じない直進性をもたらしている。実際、今回400kmほど高速道路を移動したが、強靭な骨格と十分なサスペンションストローク、そして少しダルなステアリングのおかげで、非常に安楽に走行できた。

2019年に「ダイナミックシールド」と命名されたフロントマスクは、電気シェーバーの網目を思わせるギラギラしたデザインだったが、今回のマイナーチェンジで、ギラつきを抑えた樹脂製の落ち着いた顔つきに変更され、いわゆる「どや顔」感は大幅に薄れた。同時にリアガーニッシュも変更され、光物を排したすっきりとしたデザインでフロントとの統一感を図っている。

前後バンパー下部とサイドホイールアーチには、新たに黒のモールが装着された。今回の試乗車はボディ色が白だったため、そのコントラストが際立って見えた。

しかし、シーラカンスたる所以も存在する。まず、ステアリングポストにテレスコピック機構が未だに備わっていない。つまり、ポジション調整はチルト機構のみに頼らざるを得ない。また、3列目シートの折り畳みも、側面の三角マークが目印の位置までスライドさせた後、リリースレバーを引いて跳ね上げる仕組みだが、この操作が案外わかりにくい。背の低いユーザーは車内に乗り込んで作業する必要があり、使い勝手は決して良くない。

それでも、「余人をもって代えがたい」という言葉がぴったりと当てはまる。独壇場の市場を確立している以上、多少の不便には目をつぶるべきだろう。ミニバンに乗りたいアウトドア派で、かつ高速道路を長距離移動する層には、完璧にフィットする一台である。

■5つ星評価 パッケージング:★★★★ インテリア/居住性:★★★★ パワーソース:★★★★ フットワーク:★★★★ おすすめ度:★★★★★

中村孝仁(なかむらたかひと)AJAJ会員・自動車技術会会員。1952年生まれ。4歳でモーターマガジンの誌面を飾るクルマ好きとして育ち、スーパーカーショップのアルバイト、ノバエンジニアリングでの丁稚メカ経験、ドイツでの自動車修行を経て、1977年にジャーナリズム業界へ。以来46年間、フリージャーナリストとして活動する。現在は企業やシニア向け運転講習の会社「ショーファデプト」代表取締役も務め、テレビ東京『開運なんでも鑑定団』では自動車関連の鑑定士としても活躍中。

編集部注:この記事はAIを使用して作成されており、Response.jpの記事を元に、内容を変更せずにリライトしたものです。
Share Copied