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栃木県と福島県でクマの出没が相次いだことを受け、両県に接する茨城県が、連絡や通報、現場対応に関する訓練を今夏にも実施する方針を固めた。県と同県大子町、周辺自治体による初の合同訓練を想定している。県環境政策課の担当者は「情報を独り歩きさせて不安をあおるのではなく、正しく恐れることが重要。現場の備えをしっかり固めておく」と話す。
大子町は栃木、福島両県と隣接し、昨年の4月と6月、山中に設置されたカメラの映像などでクマの姿が確認された。
茨城県内にはクマは生息していないとされ、県境を越えて出没した可能性がある。県は、現時点でクマが県内に「定着」したとはみておらず、担当者は「茨城の山は人工林が多くドングリなどの餌が少ない。クマが生存しにくい環境であり、一時的に立ち寄ったのではないか」と分析する。
県はクマの出没に備え、ライフル銃を扱うことができる人を事前登録して要請自治体へ即座に派遣する「捕獲者派遣事業」を今年度から本格的に始め、現在、37人が登録している。訓練には事業の実効性を高める狙いもあり、クマが出没した際の対処の手順などを確認する見通しだ。今後、実施の詳細を詰める。
県は3月、昨年春に策定した5年計画「ツキノワグマ管理計画」を改め、市町村の判断で発砲できる「緊急銃猟」を新たに加えた。捕獲体制の強化や、県や市町村、猟友会の迅速な情報共有についても盛り込んだ。「出没前提の内容」への改定といえる。
予算面でも対策を急加速させており、今年度のクマ関連予算は前年度の約100万円から約1300万円に増やした。新規のライフル銃購入費の補助などによってハンターを育成するほか、市町村の資機材購入も支援する。
また、クマを寄せ付けないための対策として、餌となる生ごみや農作物を屋外に放置しないことや、柿などの果物は実ったら早めに収穫すること、クマの隠れ場所をなくすために草刈りを徹底することなどを住民に呼び掛けている。(飯田耕司)