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高市早苗首相が先進7カ国首脳会議(G7サミット)直前の限られた日程で英国とイタリアを訪れ、スターマー、メローニ両首相との会談に臨んだのは、米国や中国などが国際秩序を揺るがす中、同志国との結びつきを一層強固にするためだ。とりわけ首相は次期戦闘機の共同開発計画をともに進める英伊を重視する。日米同盟を前提としながらも、多層的なネットワークの構築で日本の安全保障を確実にしたい考えだ。
首相は14日(日本時間同)の英国の首都ロンドンでのスターマー氏との会談で、「(英国とは)安保分野をはじめ、非常に多くの分野で協力を深めている。日本にとって大切な同志国だ」と強調した。
安保や経済安保などを軸とした同志国との関係強化は首相の持論だ。英伊とは次期戦闘機開発計画「グローバル戦闘航空プログラム」(GCAP)に取り組む。今回の両首脳との会談でも、重要鉱物などのサプライチェーン(供給網)の強靱化や先端技術分野でのさらなる協力を確認。首相のもとで日英や日伊関係は結びつきを強めている。
首相は5月の大型連休中にオーストラリアを訪れ、アルバニージー首相と会談。また、19日には韓国の李在明(イ・ジェミョン)大統領のもとを訪ね、同月下旬にはフィリピンのマルコス大統領を国賓として日本に招いた。7月にはインドでモディ首相との会談を調整している。
今回の英伊を含む立て続けの外交攻勢で同志国との連携を急ぐのは、多国間協調を軽視するトランプ米大統領の政治姿勢や覇権主義に突き進む中国の動向により、国際秩序の先行きが見通せなくなっているからだ。
首相は米国のイラン攻撃でトランプ氏との関係が険悪になったスターマー氏やメローニ氏を含めた他のG7首脳と比較しても群を抜いてトランプ氏との信頼関係構築に成功している。
ただ、トランプ氏の外交スタンスはそもそもが予測不能だ。また、トランプ氏は5月に北京で会談に臨んだ中国の習近平国家主席と今年、あと3回の会談を予定しており、今後さらに対中融和に傾く可能性は否定できない。首相が築く同志国ネットワークが、今後の日本の安保の鍵を握る。