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プロ野球の阪神タイガースとDeNAベイスターズは6月、選手や監督、コーチ陣の移動時や宿舎周辺でのサインや写真撮影といったファンサービスを控えるよう求める〝おことわり〟を相次いで発表し、ファンの理解を求めた。阪神は2020年にも新型コロナウイルス感染予防で自粛のリリースを行ったことがあるが、選手の中には周囲への配慮などを考えて心を痛めたり気をもんだりしているケースが多く、シーズンが佳境に入り熱気が高まる前に球団が先手を打った形だ。
こうした話題が出ると、少なからず阪神ファンは過去の出来事を思い出すのではないだろうか。
阪神が18年ぶりのリーグ優勝を目前にした2003年夏、名古屋での中日戦を前に選手らが向かったJR新大阪駅で不測の事態が起きた。選手らが乗車する新幹線車両付近にサインや写真撮影を求めるファンが殺到。大声で注意を続ける駅員の奮闘もむなしく、発車の予定時刻を過ぎ、さらには、サインに応じていた赤星憲広外野手が背後から女性に頭髪をつかまれ、ハサミで切られそうになった。
亀山努、新庄剛志両外野手による空前の「亀新フィーバー」が起こった1990年代前半には、当時甲子園球場そばにあった選手寮「虎風荘」からゴミ袋が出されるたび、熱狂的な女性ファンにあさられるというトンデモ話もあった。
以前の選手らはチーム便と呼ばれる指定された便でまとまって移動していた。当時はチーム便が新聞などで公表されていたため、1985年の球団初の日本一に貢献したある人気選手は、特定の女性ファンの追っかけ行為に悩まされた。その女性は選手が乗るグリーン車両に最も近い普通車両の決まった席にいつも乗り込み、その選手が乗り降りするたびに接近し、選手をおびえさせていた。ほかに、自宅玄関の鍵穴に強力接着剤を突っ込まれた選手もいたというから完全な犯罪だ。