t>
TRENDING

新型シトロエン「ë-C3」試乗記——BEVなのに“ゆるふわ”な乗り心地。割り切りの美学に驚かされた

1 minutes reading View : 55
アバター画像
Aiko Yamamoto
自動車 - 05 8月 2026

シトロエンのコンパクトハッチバック「C3」に、電気自動車版「ë-C3」が登場した。さすがはシトロエンである。操作系からスペック、装備の設定、そして乗り心地に至るまで、普通のBEVとはひと味違う。誰にでも勧められるクルマではないが、そもそもシトロエンとは、そういう立ち位置のメーカーだ。

「ユニークでアバンギャルドであることが、シトロエンの生命線ではなかったのか!」と憤慨するクルマ好きの声が聞こえてきそうだ。だが、安心してほしい。シトロエンは依然として“普通”ではない。

まず驚かされるのは、なんと今どき起動がキーであることだ。金属製のカギをシリンダーに差し込み、回してシステムオン——このアナログ手順にはすっかり戸惑った。しかも試乗車は、2026年型のBEV版「ë-C3 マックス」。スターターが回るわけでもなく、ただ準備完了の表示が出るだけなのに、この古典的な始動方法はどういうことか。割り切りがここまで徹底していると、かえって何か特別な理由や意図があるのではと落ち着かなくなるほどだ。

もっとも、シトロエン自慢のソフトな「アドバンストコンフォートシート」に身をゆだね、室内を見回せば、個性は十分に感じられる。高級素材こそ見当たらないが、ファブリックを組み合わせたトリムは品よく落ち着いた雰囲気で、さすがの手腕だ。ステアリングホイールはプジョーのように小径で、上下が押しつぶされた形状。その上から、ウインドシールド基部に設けられたスリットのような簡潔なメーターをのぞき見るスタイルだが、プジョーの「iコックピット」よりもずっと違和感がない。

新型C3はBEV前提で「スマートカープラットフォーム」なる新しい車台を採用する。ホイールベースは2540mmで、先代比わずか5mmの延長。全長も若干伸びて4mをわずかに超えた程度だ。ところが、全高が一気に95mmも高くなったことで、いかにもコンパクトSUVらしいプロポーションに変貌している。しかも、3代目C3の特徴だったエアバンプと薄目のシグネチャーライトは姿を消し、代わりに逞しさを強調したフロントまわりは、一般的なSUVの印象を与える。よそと違う風変わりなところに魅力を感じていたファンには残念かもしれないが、予想を裏切る斬新な手法を取り入れるのがシトロエンというものだ。

薄目デイタイムランニングライトが当たり前になった今、主力モデルでありながら(C3はシトロエン全体の約3割を占める)、“自分たちはさらに大胆に先を行く”という主張なのかもしれない。今どき大きなエンブレムを前後に戴いているのも、最近のトレンドとは違う。それでも、見た目は何だか普通になってしまった——というのが偽らざる本音である。

選択と集中はパワートレインにも見て取れる。駆動用バッテリーの容量は44kWhと控えめで、WLTCモードの一充電走行距離は388km。一方、急速充電は100kW出力まで対応し、「マックス」グレードにはバッテリーのプレコンディショニングも備わる。モーターの最高出力は113PS、最大トルクは125N・mと、他のBEVに比べて明らかに抑えられている(例えば新型「リーフB5」は177PS/345N・m)。本国仕様のデータでは0-100km/h加速は10.4秒、最高速も130km/h程度だ。

強烈な加速などのパフォーマンスを追求していないことは明らかだが、高速道路を含め、実用上の不足は感じない。バッテリー容量を抑えたぶん、BEVとしては軽い1470kgの車重が功を奏し、走りは十分に身軽だ。センターコンソールには「B」ではなく、ほとんど回生ブレーキが働かなくなる「C(クルーズ)」ボタンが備わっている点にも、明確な優先順位がうかがえる。

性能を追求しない代わりに、価格はリーズナブルだ。上級グレードの「マックス」で425万円、エントリーグレードの「プラス」は399.9万円。ハイブリッドモデルを含め、C3は割り切りがはっきりしている。

BEVとしてはかなり軽い車重(それでも「C3ハイブリッド」よりは200kg重い)は、乗り心地にも好影響を与えているようだ。ë-C3の乗り心地は、明らかにソフトである。一般的なBEVは、バッテリー搭載で増えた車重に対応するためにサスペンションを硬くせざるを得ず、コンベンショナルなスプリング/ダンパーではどうしてもゴツゴツ、ヒョコヒョコした挙動を示すクルマが多い。だが、ë-C3はその点、他のBEVとは一線を画す。シトロエン自慢の「PHC(プログレッシブ・ハイドローリック・クッション)」=バンプストッパーの代わりにセカンダリーダンパーを内蔵したダンパーと、柔らかなシートの効果も大きいはずだ。

人によっては、もう少し引き締まっていたほうが安心できると感じるかもしれない。だが、柔らかさの奥にはしっかりとしたコシがあるのは、これまでのシトロエンと同様。パキパキしたレスポンスはなくても、ハンドリングに不安はない。これもまた、思い切って実用域に焦点を絞ったキャラクターといえるだろう。

ちょっと残念なのは、装備が単なるクルーズコントロールのみであることだ。すっかりアダプティブクルーズコントロール(ACC)が付いているものと思い込んでいたところ、前走車にスルスルと近づいてあわててしまった。先行して発売されたハイブリッドのC3にもACCやブラインドスポットワーニングは備わっていなかった(緊急ブレーキやレーンキープアシストは装備される)。これまたコストを抑えるためなのだろうが、最新モデルでここまでの割り切りは、さすがに説得力に欠ける。実用車としての魅力は認めるものの、自分の使い方に合わせて慎重に判断する必要があるだろう。

(文=高平高輝/写真=向後一宏/編集=藤沢 勝/車両協力=ステランティス ジャパン)

ボディーサイズ:全長×全幅×全高=4015×1755×1590mm
ホイールベース:2540mm
車重:1470kg
駆動方式:FWD
モーター:交流同期電動機
最高出力:113PS(83kW)/9030rpm
最大トルク:125N・m(12.8kgf・m)/5270rpm
タイヤ:(前)205/50R17 93V XL/(後)205/50R17 93V XL(グッドイヤー・エフィシェントグリップ パフォーマンス2)
一充電走行距離:388km(WLTCモード)
交流電力量消費率:132Wh/km(WLTCモード)
価格:425万円/テスト車=441万5650円
オプション装備:メタリックペイント<ブルーモンテカルロ>(4万9500円)/プレミアムフロアマット(3万8500円)/ドライブレコーダー<V263A>(5万9950円)/ETC1.0車載器<ハーネスキットを含む>(1万7700円)

テスト車の年式:2026年型
テスト開始時の走行距離:1354km
テスト形態:ロードインプレッション
走行状態:市街地(2)/高速道路(7)/山岳路(1)
テスト距離:309.8km
消費電力量:–kWh
参考電力消費率:19.8kWh/100km(5.05km/kWh。車載電費計計測値)

編集部注:この記事はAIを使用して作成されており、Response.jpの記事を元に、内容を変更せずにリライトしたものです。
Share Copied

Trending Post