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東大卒、年収1100万円の安定を手放し、未経験から刺しゅう屋を立ち上げた田中優輝さん。彼の選択は、周囲から見れば無謀に映った。しかし、彼は「縫い目の中に人の温度がある」と語る。
始まりは4畳半の部屋、ミシン1台、口座残高2158円。田中さんは何の後ろ盾もないまま、針と糸に向き合った。最初は注文もなく、収入もゼロ。それでも彼は挑戦を続けた。
孤独や焦り、不安は常につきまとった。元同僚たちが順調にキャリアを重ねる中、自分だけが立ち止まっているような感覚に襲われることもあった。しかし、その不安を乗り越えた先に、新たな世界が広がっていた。
刺しゅうを通じて、人とのつながりが生まれた。オーダーメイドの注文をきっかけに、客の人生や思いに触れる機会が増えた。「仲間と一緒に何かを生み出す喜び」を、彼は初めて実感した。
現在、田中さんの刺しゅう屋は口コミで広がり、国内外から注文が来るまでに成長した。「安定を捨てたことで、本当にやりたいことが見えた」と彼は笑う。4畳半から始まった挑戦は、今も続いている。