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鹿島アントラーズは29日、DF濃野公人(24)が米メジャーリーグ・サッカー(MLS)のDCユナイテッドへ完全移籍することを発表した。2024年の入団から2年半、右サイドバックとして攻守に圧倒的な存在感を示した若武者が、新たな挑戦の場を海の向こうに求めた。
DCユナイテッド側の発表によれば、濃野は2028-29シーズン終了までの3年契約を結び、1年間の延長オプションも付随する。移籍の成立にはP-1ビザおよび国際移籍証明書の取得が条件となる。なお、MLSは来季から秋春制へと移行する予定であり、濃野の契約期間もこのスケジュール変更を踏まえたものとなっている。
濃野は2002年3月26日生まれ、大津高校、関西学院大学を経て2024年に鹿島へ加入。ルーキーイヤーから右サイドバックの定位置を掴み、積極果敢な攻撃参加で31試合9得点を記録。この活躍が認められ、大卒ルーキーとしては三笘薫(現ブライトン)以来、4年ぶりとなるJリーグベストイレブンに選出された。2025シーズンも27試合1得点をマークし、鹿島の9年ぶり9度目のJ1制覇に貢献。さらに百年構想リーグでも19試合に出場し、チームのEASTグループ首位浮上を支えた。
濃野はクラブを通じてコメントを発表。決断に至るまでの葛藤を明かしつつ、新天地での覚悟を語った。「この決断をする過程でさまざまなことを考え、たくさん悩みました。ただ、自分で決めた以上、結果を出すことでしか皆さんへの恩返しはできないと思っています」。その上で、「大学を卒業してから2年半、アントラーズのエンブレムを背負って戦えたことは何物にも代えがたい。今季掲げるJリーグ連覇とACLE制覇を心から願っています」と古巣への思いをにじませた。
DCユナイテッドのマネージング・ディレクター、エルクット・ソグット氏も濃野を高く評価。「公人は直近の数シーズン、鹿島で傑出した活躍を見せ、Jリーグ屈指のサイドプレイヤーとして地位を確立してきた。右サイドバックと右サイドハーフの双方をこなす汎用性が魅力で、守備の確実さ、卓越した攻撃的センスを兼ね備えている」と賛辞を送った。
DCユナイテッドはMLS創設年の1996年からリーグに参加する名門。かつては元ブルガリア代表MFフリスト・ストイチコフ、元アルゼンチン代表MFマルセロ・ガジャルド、元イングランド代表FWウェイン・ルーニーらが在籍した。今季はイースタン・カンファレンスで17試合を消化し勝ち点22、15チーム中9位につけている。濃野の加入が、中位に甘んじるチームに新たな風を吹き込むか、注目が集まる。