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高市早苗首相は22日の衆院予算委員会で、首相陣営による自民党総裁選や衆院選での中傷動画作成疑惑などに関し、野党の質問に対する答弁の準備で業務に支障が生じているとして、答弁の代わりに「近日中に(地元の)奈良の秘書の陳述書を予算委理事会に提出させてほしい」と述べた。野党は同日の衆参両院の予算委で、中傷動画や首相の名前入りの暗号資産(仮想通貨)の問題を巡り首相を追及した。
衆院予算委で中道改革連合の後藤祐一氏は、中傷動画作成や暗号資産「SANAE TOKEN(サナエトークン)」の開発に関わったとされる男性と、首相の公設第1秘書が通信アプリ「LINE(ライン)」でやり取りをしていたかどうかをただした。
これに対し、首相は秘書の陳述書を提出したいと述べ「それをもって本件に関する答弁とさせてほしい」と主張した。坂本哲志委員長(自民党)は対応を理事会で協議する考えを示したが、後藤氏は坂本氏に「予算委の質問を圧殺するのか」と迫った。
参院予算委では、立憲民主党の杉尾秀哉氏が「首相とその周辺に重大な疑問が投げかけられている」と切り出し「政治への信頼や民主主義の根幹に関わる問題だ。単なるスキャンダルではない」と批判した。
首相が苛立(いらだ)ちを見せる場面も目立った。「他の候補者を中傷したり、批判したりせず、ひたすら自分の政策を訴えてきた。これは政治家としての矜持(きょうじ)であり、誇りでもある」と強調。野党の質問に対する答弁の準備により「首相としての業務時間も確保できなくなっている」と吐露した。
中道や立民などは引き続き追及する構えだ。ただ、首相から「週刊誌の記事を基に質問されても困る」と指摘されるなど、攻めあぐねている。
首相は強気の姿勢を崩さないが、共同通信社が20、21両日に実施した世論調査では、高市内閣の支持率が前回調査から5.5ポイント減の55.8%だった。野党の追及がじわじわとダメージとなる可能性もあり、自民中堅は「首相は相手の土俵に乗ってはだめだ」と語った。