
ウクライナの首都キーウ中心部にある国立チョルノービリ博物館が、24日未明までのロシア軍の大規模攻撃で大きな被害を受けた。約1カ月前にリニューアルオープンしたばかりで、再び休業を余儀なくされる格好だが、館長は惨禍の記憶を伝えるため「必ず再開させる」と意欲を見せている。
24日午後に博物館を訪れると、窓ガラスは割れ、壁面には黒く焦げた跡が残っていた。爆風による破片が展示室に散乱し、修理が完了したばかりの内装も損傷した。
博物館は改装を経て、1986年の原発事故から40年となる4月26日に営業を再開したばかりだった。ビタリナ・マルティノフスカ館長(40)は「今後に向けたたくさんの計画があったが、展示品は移動せざるを得なくなった」と無念さをにじませた。
同館は事故の経緯や放射能汚染の影響、立ち入り禁止区域の現状などを伝える常設展示を設置している。日本政府も2009年度、展示機材整備のための無償資金協力を実施した。
さらに、東京電力福島第1原発事故に関するコーナーもあり、両原発事故の比較展示も行われていた。再開の時期は未定だが、館長は「被害状況を把握次第、早期の復旧を目指す」と述べている。