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最大震度7を観測した熊本地震の被災地を高市早苗首相が視察した際に首相官邸が公開した動画について、一部の野党議員やX(旧ツイッター)の一般ユーザーが「演出」などとして問題視している。ただ、首相官邸は歴代政権でも視察動画を公開してきたとしており、同様の手法は過去にも用いられている。
物議を醸したのは、首相が3日に熊本を視察した際、佐伯耕三内閣広報官がXに投稿した内容だ。首相を乗せた陸上自衛隊のヘリコプターが、多数の犠牲者が出たイオンモール熊本や日本製紙八代工場の上空を飛行した際、「首相が幾度となく手を合わせていた」と紹介した。
これに対し、社民党のラサール石井幹事長はXで、首相が機内の窓際で手を合わせる写真について、「画角を決め立ち位置を指定して撮ったはず。偶然撮れたとしても、それをSNSで発信する事があざとい」と指摘。「視察の一連の行動に、全くいたわり、寄り添う心が感じられない。これで支持率を上げようと思っているなら、国民はかなり舐められている」と首相批判を展開した。
立憲民主党の蓮舫参院議員もXで、「この姿を政府公式アカウントに掲載するのを止める人は誰もいなかったのか。この感覚で一体どんな寄り添った支援を行おうとしているのか。あまりにも愕然としています」と投稿した。この投稿では、具体的に何を問題視しているのかは示されなかった。
また、首相官邸の公式Xにも、被災者らと意見を交わす首相の様子が1分53秒の動画にBGMを付けて3日に投稿されている。
木原稔官房長官は5日の記者会見で、SNS上に「PR動画のようだ」「動画に付くBGMは不要ではないか」といった指摘が出ていることについて記者から問われ、「総理の被災地視察の状況をコンパクトにまとめた動画は、これまでも行ってきていると承知している」と説明した。
BGMの必要性を重ねて問われると、「視察した様子を国民の皆さまに分かりやすく伝えるための手法の一つだと考えている」と語った。
首相の被災地視察の公開動画に、音の強弱はあれどBGMを付ける手法は岸田文雄政権や安倍晋三政権でも行われている。令和6年10月5日に石破茂首相(当時)が、前月の能登半島豪雨の被災地を視察した際にも、首相官邸はBGMを付けた視察動画を公式SNSで公開している。当時は今回のような批判が目立つことはなかった。
首相は3日の視察後、熊本地震を「激甚災害」に指定すると表明し、4日に242億円の予備費の使用を閣議決定した。(奥原慎平)